2023.3.30 share

1.審査を通して得た気づき

僕の中で「モバイル」の定義が変化した。僕にとってとても刺激的で勉強になる審査でした。特にグランプリ、GOLD受賞作品から得た大きな気づきは、「モバイルは、人間に一番近いメディア」ということ。言葉で書くと、当たり前じゃん、ってなりそうですが、つまり「普通では他人が入り込めないところ、つまり最もパーソナルな時間や瞬間に入り込むことができる」という価値をあらためて感じました。誰かの課題を解決するときにパーフェクトタイミングとパーフェクトアイディアが結びつく場所。グランプリの「KNOCK KNOCK」はまさにそれを体現した最高のアイデアです。モバイルは、持ち運びできるデバイスという概念から始まり、今進化しているような気がします。そう考えて企画するともっともっと面白くなるし、解決できる課題がもっと見えてくると思いました。

2.審査の中で印象に残った施策



DOT PAD. THE FIRST SMART TACTILE GRAPHICS DISPLAY.

DOT PADは、画像や図形といった視覚情報をディスプレイ部分の2400本の可動ピンを使って触覚で再現するモバイルデバイス。以前、時計型での開発がアナウンスされたときから知っていましたが、今回さらに進化しており、継続性も評価したいと思いました。画像から抽出する輪郭だけを選定する部分や、優先順位の付け方などAIの学習設計には工夫が必要ですが上手にやっていると思いました。



THE RESPONSIBLE MANHOLE

RESPONSIBLE MANHOLEは、20ドルという普及しやすい製作費で深刻なインフラ課題の解決を図るプロダクト。ショートリスト入りしたことでこうした方向性の取り組みが増え、課題が解決していくことを願いたいです。



QUEST FOR DYSLEXIA

QUEST FOR DYSLEXIAは、様々な理由から発見が難しい症状の検知システムをナチュラルに国民的ゲームに入れ込んでいる点が素晴らしい。SAMSUNGが社会課題の解決を目的とするプロジェクトに定常的に予算を割いている点が先進的。

グランプリを含め、社会課題の解決を手段ではなく目的として認識している企業/公的機関が多く見られました。クリエイティブ主導で、企業とももっとこういう話をしていきたいと感じました。