ヤングライオンズ/スパイクス コンペティションへのご応募ありがとうございました。
ヤングライオンズ本選へ参加資格を得た方には事務局から後日、別途連絡いたします。
※ページ内敬称略
Digital
デジタル部門
たくさんのご応募ありがとうございました。以下、デジタル部門の最終結果と審査講評になります。
Entry No.C104
HYTEK清水 出帆
博報堂千田 桃歌
Entry No.C117
TBWA\HAKUHODO砂田 肇
ハッピーアワーズ博報堂内山 智義
Entry No.C016
アクセンチュア富沢 裕紀
博報堂立川 凌大
Entry No.C058
クオラス柳田 峻
電通プロモーションプラス藤本 晴香
Entry No.C094
電通伊藤 耕介
電通渡邊 清子
Entry No.C047
The Breakthrough Company GO金丸 なな子
The Breakthrough Company GO霍見 宙
Entry No.C029
電通笠 風音
電通西野 いぶき
応募状況
提出作品数:123作品
総評・コメント
審査員 中島 琢郎ideable
いいアイデアの基準を持つ人が上位にいける(はず)
審査会の前にすべての作品ボードを、個人的な以下の分類で評価しました。(※あくまで個人的なもので審査会としての基準ではありません)
残念ながらSは該当なし。Aが16作品(約12%)となり、そこから数点の推薦作品を選びました。 圧倒的に強い企画は無いので、強いチームを選びたい。そのため英語表現も判断基準に含めました。
最終審査に選ばれたチームは結果的に上記のAに該当していたため、細かい違いはあれど審査員の「品質基準」はほぼ同じだと言えます。選ばれたチームも同じような基準を持っているからこそファイナリストに残れたのかと思います。なかなか上に行けないチームは、事例をたくさん分析して、いいアイデアや企画の基準を持つことを意識してください。
ヤング攻略法がもたらすコモディティ化に注意
最終審査のプレゼンは、それぞれの真剣さが伝わってきました。それに応えるためにも正直な意見を述べておきたいと思います。
まずは、策に溺れたチームが多い印象を受けました。 ヤングカンヌにはある程度の攻略法があると思います。その攻略法や過去問集は、時とともに洗練・共有されているのでしょう。その影響もあってか、対策はよくできていて赤点にはならないが、個々のクリエイターとしての素養や特徴が感じ取りにくい、似たようなプレゼンがほとんどでした。
攻略法が共有されるほど、企画やプレゼンの「型」はコモディティ化するのかもしれません。そうなると最後に差がつくのは、そのクリエイターが何を信じ、何を面白いと思っているか。言うなれば、個人のビジョンやパーパスです。プレゼンのスタイルや質疑でのちょっとしたやりとりに、そこが出ます。
また英語力とは無関係に、立ち居振る舞いが子供っぽくみえるチームも多かったです。グローバルの若手は入社した瞬間からプロフェッショナルとしての振る舞いを求められているため、見せ方で差がつかないよう意識できるとよいでしょう。
選んでもらうより、魅了する
GOLDのチームは、自分たちが何を信じていて、何が好きで、嫌いで、審査員に何を感じ取ってほしいか。それが伝わってきた唯一のチームです。「選んでもらう」のではなく「魅了する」ことに成功していました。 本戦では、数値的なエビデンスやスケーラビリティを重視するメディア系の審査員がいる可能性もあります。その観点の対応もできるよう意識してみてください。
SILVERのチームは、企画のクオリティも見せ方もそつがなく、前述の攻略法をしっかり自分の血肉にできているような安定感がありました。これは決してネガティブな意味ではなく、GOLDチームとは全く異なる武器を持っているという意味です。今回はたまたまこの結果でしたが、別の部門や審査員構成なら逆もあり得たと思います。
最終審査に残った他のチームも、企画でハッキリとした差はありませんでした。どの方も十分な実力があり、普段の業務でも活躍されているのではないかと思います。自信をもって、コンペに限らず色々な挑戦をしてください。
提出者のみなさま、運営のみなさま、審査員のみなさま、本当にお疲れ様でした!
審査員 三井 明子三井グループ
はじめてデジタル部門の審査に参加させていただきました。昨年まではプリント部門を担当しておりましたが、今年はデジタル部門の作品と向き合う機会をいただき、多様な提案にふれるなかで、ひとつひとつの視点や想いに刺激を受けました。この非常に難度の高いブリーフに真摯に向き合い、ご応募くださったすべてのチームの姿勢に、あらためて心より御礼申し上げます。
今年は過去最多となる123組ものエントリーをいただきました。障がいの有無を超えて協働を生み出すという課題は、簡単に答えを出せるものではありません。解決へ向けての確かな視点とともに、クリエイティビティの力が深く問われるテーマでした。そのなかで上位に選出された作品は、デジタルならではの力を伸びやかに生かしながら、明快さとユニークな視点、そして現実へと落とし込める確かさや社会に広がっていく可能性を併せ持っていました。
なかでもGOLD作品の Zoomouth は、“読唇支援”という本質的な着眼を、遊び心のあるフィルターというかたちで実現している点が秀逸。軽やかな楽しさの裏側に、確かな実現性と、だれかの困りごとを少しでも軽くしたいという優しさが伝わってきました。むずかしいテーマを「前向きに広げたくなる行動」へと変えていく力を感じました。
SILVER、BRONZE、FINALISTの各作品も、課題の本質をとらえつつ、そこに独自の視点や方法を重ねることで、解決への新しい可能性を示していました。本当に必要とされる領域だからこそ、単なる理想論ではなく、だれもが自然とポジティブに参加できる未来像へ結びつけられているかが評価のポイントになりました。
受賞者のみなさまには、ぜひ世界の舞台でも挑戦をつづけていただけたらと存じます。また、今回惜しくも選にもれたチームのみなさまの、これからのご活躍も心から期待しております。すべてのご応募に、深い敬意と感謝を込めて。ありがとうございました。
審査員 村上 晋太郎電通
この4年間、障がいとともに生きるアーティストの方々と協業してきた私にとって、印象深い審査となりました。求められたのは単なる「補助ツール」ではなく、障がいの有無を超えて価値ある「協業」を生む視座のあるアイデアでした。
GOLDを受賞したzoomouthは、リモート会議という協業の核心に、シンプルに効く打ち手を提案していました。二次審査では「本当に機能するか」が争点でしたが、質疑にて当事者ヒアリングを重ねて設計されていることが明らかとなり、好印象でした。
他にも、読唇術をテーマにしたアイデアがあり、ボード上での完成度は高かったですが「読唇術では唇だけでなく顔全体が見える必要がある」という前提を外しており、惜しくも予選落ちとなりました。リサーチと当事者へのヒアリングで差がついたと思います。
LLMツールの充実でボード制作における言語、デザインの参加障壁が下がった分、プレゼンと質疑の伝達力で差がつくようになりました。zoomouthのチームは作り物を絞り、jsで素早く組んだワーキングプロトのみで勝負しました。そのプロトタイプが効いていた上に、プレゼンと質疑での説得力が非常に高かったことが受賞に繋がったと思います。
改めて、受賞された皆様、おめでとうございます。
Media
メディア部門
たくさんのご応募ありがとうございました。以下、メディア部門の最終結果と審査講評になります。
Entry No.M042
TBWA\HAKUHODO上杉 莉子
TBWA\HAKUHODO横田 恵莉奈
Entry No.M027
TBWA\HAKUHODO合田 結内奈
TBWA\HAKUHODO田中 梨南
Entry No.M060
アクセンチュア小宅 紫音
Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song德廣 凪翔
Entry No.M030
電通笠 風音
電通西野 いぶき
応募状況
提出作品数:166作品
総評・コメント
審査員長 中尾 素子TBWA\HAKUHODO
今年のテーマは「インクルーシブな職場環境を実現するための障壁を取り除くメディアキャンペーン」ということで、ヤングの皆さんも自分の職場を見渡しながらアイデアを膨らませやすかったのではないでしょうか?
メディア部門の応募数は今年はなんと166作品と過去最高数を更新しました。
たくさんのご応募ありがとうございました!
巷にAIが溢れているせいか、どことなく既視感のあるアイデアも多かった中、今回我々がGOLDに選んだ作品はゼロからイチを生み出したオリジナリティあふれるアイデアで、ひときわ輝いて見えました。
愛着・共感が持てるキャラクターデザイン、その認知を広げるメディア/ソーシャル拡散の設計、自分のオフィスでもリアルにやってみたくなる
人の心を動かすコミュニーションデザイン。
人が人を想う温かさ、ぬくもりをも感じるアイデアで素晴らしかったです。
是非カンヌの本戦でも力を存分に発揮してきてください。審査員一同、ご活躍を楽しみにしています。
応募作品の中には特定のブランドとのタイアップにより、そのブランドの持つパワーを借りてアイデアを広げる/盛り上げる作品も多く、 その中にはもちろん優れたアイデアもあるのですが、やはりゼロから生まれたオリジナリティ、ユニークネスのほうが強く人の心を動かす印象でした。
さて、これからの広告業界を担うヤングの皆さんへ、僭越ながら少しだけメッセージを送ります。
-普段アイデアを考えるとき、あなたはいつ「メディア」のことを意識していますか?
メディア=人にメッセージを届ける媒介です。全てのクリエイティブアイデアが、必ず何らかのメディアを通してお客様に届くのです。せっかく素晴らしいクリエイティブアイデアを思いついても、届けるメディア次第では狙い通りにメッセージが届かなかったり、心に響かなかったりしてしまいます。
どんなメディアを通じて届けるのか?そのメディアに接触している時のお客様はどういうマインドセット?どんな視聴態度?、、、
メッセージが届く瞬間、最後の出口を、最初から想像しながら一緒にクリエイティブアイデアを考えるとCreativityは想像以上に広がりを持つのではないかと思います。
是非意識してみてください!
-世界で戦うということ。
この数年、ヤングカンヌの講評で必ず「英語でのプレゼンテーションカ・説得力の強化の重要性」について触れてきました。
大変嬉しいことに、今年の最終審査では多くのチームが英語で自信を持ってプレゼンし、自分の言葉でQ&Aに答えてくれ、皆さんの念入りな準備/練習と努力が伝わってきました!
単なる「語学力」ではなく、英語で自分達のアイデアの魅力をきちんと説明し切れるか?が重要で、自分達のアイデアに対する強い情熱や論理性も必要になります。
この先、グローバルに活躍したいクリエイターの皆さんにとって必要不可欠なスキルだと思いますので引き続き、ぜひ努力して磨いていってください。
-Creativityは誰のもの?
普段クリエイティブ職の方々だけでなく、ストラテジー、メディアプランナーやビジネスプロデューサー、営業職などCreativityは広告業に携わるすべての人がもつべきものだと信じています。
広告賞のエントリーは、そんな自分のcreativityを試し、可能性を広げるトレーニングの場にもなるかと思いますのでぜひ積極的にチャレンジしてみてください!
審査員 小山 真実電通
参加してくださった方々のアイデアにたくさん触れて、自分がヤングだった頃の熱を思い出すことができました。ありがとうございました!来年以降に向けて、より日本チームが強くなっていくために、もっと良くできそうだと思ったポイントを講評としてまとめます。
今年の課題は、参加者側がフォーカスするポイントを選べるようになっていた分、小手先のゴール設定になってしまっていたり、解決策と課題が噛み合っていなかったりする場合の違和感が目立ちました。真の問題は本当にそこにあるのか?アイデアありきで課題を作りあげていないか?企画を決めるときに再度チェックしてみてください。
ユーザーとして自分がやりたいと思うかに加えて、コラボ先の企業が乗ってくるかについて、もう少しシビアにビジネスの感覚を持つことが必要かなと思いました。企業にとって、お金を出すというのは簡単なことではありません。「いい取り組みだし、この課題の解決に貢献しているとブランディングできる」というところからもう一歩踏み込んで、そのブランドが事業として関わる意義、その投資でどんなリターンを得ることができるのかを考えてみてください。
入賞したチーム、ファイナリストのチーム、選外だったチームを比較して、企画の内容での差はそこまで大きくなくても、エグゼキューションの質にはかなり大きな差がありました。AIで翻訳の手間が減ったせいか、かなり長い文章で、細かくアイデアを説明している企画書が多い印象でした。大量の審査資料をみている中で、企画のタイトルやKVを見ただけで伝わるスピードが速いものは、強いです。企画書を文字でいっぱいにしなくても伝わる骨太なアイデアを選び、それを一番印象的に伝える企画書とプレゼンにこだわってみてください。
日常の業務でも、AIを活用した企画や制作が増えていると思います。ヤングコンペにおいても、翻訳だけでなくうまく活用してほしいと思います。
最後に、審査をさせていただいて一番感じたのは、ヤングコンペは非常に短い期間での勝負ではあるものの、結局、そこには日々の過ごし方が反映されるなということです。
普段から、社会課題に興味を持てているか。生活者の暮らしやそこで起きている変化に目を向けているか。AIを使いこなせているか。ビジネスの感覚を持てているか。エグゼキューションにこだわれているか。自分のアイデアに愛を持ってプレゼンできているか。「ヤングコンペの攻略法」にとらわれすぎず、ぜひ、日常業務の中でも、実力を磨いてほしいと思っています。
審査員 佐々木 芳幸monopo
今年もヤングライオンズへの挑戦、お疲れ様でした!
日々のお仕事に忙しい時間の合間を縫って、なんなら日々の業務よりも骨が折れる作業をやりきった全てのチームの皆さんを尊敬します。
今回も大変難しいお題に加え、解答の幅がどうにでも振ることができる広いお題でめちゃくちゃ難しかったと思います。僕も資料審査の段階からとっても悩み、難しかったです。
難しい中で、僕自身が特に審査のポイントにしたのは、「誰がなんのためにこのキャンペーンに投資するか?」、という点でした。何かしら障害を持っている方、その雇い主、その同僚、社会、企業などなど…その誰に偏った負担やコストを払わせるアイデアが多かったように思います。そのアイデアに誰がコスト(お金だけではなく、参加動機や行動も含めて)を払うのか、なんのために?何がリターンなのか?という点でつまずいてしまうチームが多々ありました。
着眼点はよく、アイデアも良さそうだが、「これって参加するほどのことかな?」「そこまで動機づけするには、ハードルが高くないかな?」と思ってしまうチームが多い中、心理的ハードルが低く、あったら思わずやってみたくなる仕掛けがとても自然なチームがゴールドに選ばれたと思っています。あと、年々感じますが今年の2次審査の英語プレゼンはどのチームもハイクオリティでした!今年も大変勉強になりました。ありがとうございました!
審査員 橋田 和明HASHI
去年まではIntegrated部門だったのですが、今年はMedia部門の審査をさせていただきました。みなさまのエントリーのレベルは上がっていると感じていた一方で、「傾向と対策」が共有されすぎなのか、AIのせいなのか、アイディア以前に課題の解き方が似ている印象を持ちました。だからこそ、ディティールまで考え込まれていたアイディアがより光って見えました。
GOLDを受賞したBARRIER-FREE CHECKERSは、オリジナルに発明されたキャラクターが、オフィスのアクセシビリティを評価するツールになるというアイディア。
それが評価ツールだけではなく、職場のインクルージョンを考えようという情報を伝達する新しいメディアとして再発明されていました。さらには、そのキャラクターが使われる際に、車椅子が通れるか、段差はどうか、聴覚障害や視覚障害に対してどう機能するのかといった点が、一つひとつ具体的に設計されていた。アイディアの解像度が非常に高く、他のアイディアとは一線を画していました。
以下、多くのチームが陥ってしまっていたことについて、ぜひ最後のチェックポイントとして使って欲しい質問を残しておきます。
①ブリーフの目的にあっている?
ワークプレイスの障害者インクルージョンが進むこと、だったのだけど、それを外している、遠い、帰結がわからない、というアイディアが正直多かったように感じました。自分たちのアイディアのゴール設定が手前で止まっていないかをしっかりみましょう。
②メディア部門なの?(そのカテゴリーらしさは?)
きっと複数部門に出すのが当たり前。それについてはいいと思います。ただ、なぜメディアなの?という部門に対するレレバンシーが語られていないものが多い。YOUNGではないカンヌの本番の審査でもかなり語られる部分。YOUNG本番の審査員もそのカテゴリーの審査員がやるのだから、その視点は絶対持っている。例えばメディアなら、メディアの再発明と審査員に語らせるつもりを持とう。
③仕組みでとまっていない?
例えば、多くのチームが着目していた「障害のある人のできることに目を向けよう」というストラテジー自体は、とても正しい方向性です。「何ができるかを語れる話せる機会を創出するアイディア」まではいいのですが、その中で差がついたのは、具体的に何が、どのくらいできて、それがどうワークするのか。何を会話するの?そうすると何が起きるの?それがどうやって障害のある人が働きやすくなるの?という具体がないチームが多かった。AIを使うなら、アイディアの入り口までではなく、もっとその先の具体をどんどん深掘ったり、型からはみ出すために使うのが良いと思います。
最後に、チャレンジしたみなさま、お疲れさまでした。
審査員 平井 孝昌ADKマーケティング・ソリューションズ
今年も多くのエントリーに触れる機会をいただき、とても貴重な体験でした。
参加したすべての皆様に、まず参加したことへの勇気と労力に感謝したいと思います。
今年は「障がい」だけでなく、インクルージョンな環境で働くことに絞ったテーマになっており、理解しやすそうにも見えるが実は難易度が高い内容だったと思います。
プレゼンテーションに残った各エントリーは自らの体験なども交えた肌触りのあるアイデア性を感じました。
その中でもゴールドのエントリーはアワードに必要な「キャッチー」なアイコンを伴っており、戦略だけではアイデアを昇華しきれない中、クリエイティブをしっかりやり切っていたなという点を評価したいと思います。つまり、①課題抽出の着眼点、②戦略、そして③アウトプットの3点セットがすっきり収まってこその「アイデア」が必要なんだと思いました。
昨今、AIによるブレスト、アイデア出しが業務でも取り入れることが増えている中、①と②をAIに頼ってしまうと③が提案者の自分ごととしてすっきり収まっていない、そんなパターンに陥っているエントリーを多く見ました。こうしたアワードへのエントリーは、せっかくなのでAIに頼らず自力でもっと考える力を鍛える機会と捉えてはどうでしょうか?もちろんアウトプットでAIを活用するのは良いかと思います。
Film
フィルム部門
たくさんのご応募ありがとうございました。以下、フィルム部門の最終結果と審査講評になります。
Entry No.F061
電通平田 航聖
電通クリエイティブピクチャーズ何 瀾
Entry No.F024
Village山口 えり花
電通高階 壮秀
Entry No.F033
Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song小幡 京香
Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song濱野 雅楠
Entry No.F002
AOIPro.松下 智哉
ノースショア入戸 龍兵
Entry No.F020
電通喜多 章成
電通堀 有梨花
応募状況
提出作品数:59作品
総評・コメント
審査員長 たじまなおこ演出
ヤングカンヌでは、すべてにおいて満点のチームを探すのではなく、多角的な視点から評価を行い、総合的にポイントの高いチームを選出している。一次審査の映像と二次審査のコンテを総合的に見ながら、課題に対する視点の鋭さや独創性、企画力と表現力の安定性、複数案提出における表現の幅、さらにカンヌでの実現可能性を踏まえたクオリティを判断基準とした。その中で、トップ4チームは特に際立っていた。ゴールド選出にあたっては、完成度の高い安定型のチームか、粗削りながらも挑戦的なチームかという点が常に議論となったが、最終的には企画力の総合力と、アイデアの独創性や幅を兼ね備えたチームを選出した。シルバー、ブロンズのチームは企画力自体は安定していたものの、表現が抑制的であったり、逆に過多となり企画の軸がやや揺らいだ印象もあった。
我々審査員も日々さまざまな挑戦と向き合っており、立場は違えど、皆さまと同じ土俵に立っている。ぜひ来年も挑戦を続け、再びこの場に臨んでほしい。
審査員 木下 舞耶TBWA\HAKUHODO Media Arts Lab Tokyo
今年初めて審査員を拝命いただきました。私たちの仕事は、カンヌ本選で勝てるチームを選ぶこと。なのでアワードの審査員というよりオーディション番組に登場するプロデューサーという気持ちで臨みました。
GOLD: F061
一次の映像演出も良かったですし、全体として切り口にオリジナリティがありました。ぜひカンヌで世界をギャフンと言わせてきてください!
SILVER: F024
一番色の濃いチームでした。エンタメ魂を感じます。世界でも通じるユーモアセンスですし、課題設定がユニークなコンテもありました。来年もぜひぜひチャレンジお願いします。
SILVER: F033
二次のコンテの1案目、アプローチはアクティベーション的な視点がありフィルムだけでなく他の部門での可能性も感じました。一次の映像からはエクセキューション力も伺えました。来年もぜひお願いします。
BRONZE: F002
映像もコンテも細部までのこだわりを感じました。二次のコンテに関して、最後のコピーのところが突如長くなって、せっかくシンプルに納めていた映像なのに勿体無いなかった!ほとんどのチームにおける課題でしたが、コピーが長すぎるので、みなさん諦めずに削ってください。
実務と違って大人の事情によって作品が左右されないヤングコンペです。せっかくなので「正しい答え」よりも「面白い答え」を追ってみてはどうでしょう。みなさん、来年はGo crazyでお願いします!
審査員 杉山 元規Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song
一次審査を突破したチームはそれぞれに良さがあり、総じてレベルが高かったです。その中でも特に今回SILVER以上に選ばれた3チームは、誰が代表に選ばれてもおかしくありませんでした。各審査員が推すチームも異なり、なかなかGOLDが決まらない展開に。一次・二次の提出作品からプレゼンでの質疑応答まで、あらゆる側面を見ながら白熱した議論が続きました。
【SILVER 2】F033のチームは、一次も二次も問題の捉え方がよく、視点やアプローチの見つけ方にも光るものがあり、ハッとさせる力がありました。プレゼン時の質疑応答での受け答えでも、課題と深く向き合い考え尽くした軌跡を感じました。伸び代を挙げるとすると、綺麗にまとまりすぎないことと、表現の引き出しや幅をひろげること。フィルムならではのある種の乱暴さや不調和を潜ませることができると、さらに強いチームになると思います。
【SILVER 1】F024のチームは、とにかく枠からはみ出して突き抜けよう!事件を起こして驚かせよう!という企てや気概が素晴らしかった。フィルム表現としての良い意味でのクセやエンターテイメントがあり、インパクトの強さも突出していました。伸び代を挙げるとすると、スタイルや勝ち筋がワンパターンにならないこと。課題に応じた柔軟さがあるともっと可能性がひろがるはず。その豪速球を、一番良いところに投げ込めるチームになれると期待しています。
【GOLD】F061のチームは、SILVERに選ばれた2チームの良いところをバランスよく兼ね備えていて、それが最終的にGOLDとなる決め手となりました。クレバーでありながらボールドでもある。表現にもフィルムならではのツイストや皮肉がある。このチームは過去にもフィルム部門でヤングカンヌ代表に選ばれた二人とのこと。時間も短く環境もアウェーな本戦で、いかに実力を発揮して勝つか。前回の学びや経験を活かし、二度目のカンヌ本戦で輝けますように。
審査員 timoBlack Cat White Cat Music
いや、まずは素晴らしいの一言に限る。 例年、基本的にはどんどんレベルが上がっていると感じるのだが、全体的にここまで底上げされていた年はなかったと思います。
なので、参加なされた皆さんに一言、「お疲れ様でした」とお伝えしたい。 そして、もちろんその中でも評価され、最終審査に進んだメンバー全員にも「ありがとう」と言いたい。
強いて全体的に残念だった点をあげるとすると、いい子過ぎる企画が多かった事。 ヤングのコンペなので、もっと大胆に行ってもいいと思います。 課題とブリーフをしっかり理解していれば、その後はもう自由領域なので。 どうしてもそこを深く行ってしまうと、いい広告止まりになってしまう傾向をみます。 ですが、今年は例年以上に課題とブリーフを理解しているチームが多く、本当に素晴らしかった。
やはり、そこを一段と評価されたチーム、または大胆さをもったチームが、次のラウンドに進めたんだと思います。 正直、もっと多くの数を選びたかったが、理由があっての絞りなので……これでも多い人数が残っているかと。
そして、審査結果。 結果は結果ですが、個人的には上位3チームはかなり均衡していたと思います。 素晴らしかった! 総合的な審査結果なので、シルバーの方々は肩を落とさず、胸をはってください。 ブロンズもファイナリストも素晴らしかったです。 最終審査まで行って、ファイナリストにも選ばれなかったチームに関しては、落ち込まずにメッセージと受け止めてください。 ポテンシャルはとても感じられたし、これをキッカケに、もっと磨いて、活力にしてほしい。 最終に残ってるだけでも凄いので、悔しい想いを忘れずに。
ゴールドメンバーは、本当におめでとうございます。 カンヌまでまだ時間もあるので、それまでにもっともっと成長してほしいです。
最後に、皆さんのプレゼンが素晴らしすぎて、感動しました。 クリエイティビティーに溢れていて、熱量も感じられて、将来の可能性しか感じられなかった。 ブラボー!(拍手)!!!
PR
PR部門
たくさんのご応募ありがとうございました。以下、PR部門の最終結果と審査講評になります。
Entry No.PR140
TBWA\HAKUHODO砂田 肇
ハッピーアワーズ博報堂内山 智義
Entry No.PR117
読売広告社佐田 真央
読売広告社中村 葵
Entry No.PR046
電通笠 風音
電通西野 いぶき
Entry No.PR060
TBWA\HAKUHODO小野 ひかり
TBWA\HAKUHODO望月 瑠海
Entry No.PR012
アクセンチュア岩熊 萌衣
アクセンチュア金 是延
Entry No.PR021
大広讃岐 千怜
大広WEDO木村 紗妃
Entry No.PR023
電通皆川 温紀
電通村山 世織
Entry No.PR058
TBWA\HAKUHODO上杉 莉子
プラチナム浮亀 広大
応募状況
提出作品数:220作品
総評・コメント
審査員長 尾上 玲円奈マテリアル
2025年の問いは、「人の障害やバリア」というテーマを、自由に幅広く考えられるがゆえに、逆に難易度の高いものでした。テーマをどこに据え、どのような道筋を示すのか。その設計自体がアイデアに含まれるという意味で、チャレンジングな年だったと思います。
そんな中での過去最多応募。PR部門に挑戦してくださった皆さん、有り難うございました。そして、お互いにお疲れ様でした。
今年のカンヌヤングライオンズPR部門の日本代表選考において、僕たち審査員が一貫して問い続けたのは、「このアイデアは、誰の、どのような痛みを和らげ、社会をどのように動かそうとしているのか」という点でした。
パブリックリレーションズは、単なる話題づくりの技術ではありません。人や社会と良好な関係性を紡ぐ行為こそが、本来のパブリックリレーションズです。まだ言語化されていない社会の違和感や人の願いをすくい上げ、人の感情に入り込み、共感の力で世界の見え方を変えていく。そして最終的には、人の行動様式そのものを、段階的に変えていく仕事です。
「正しい主張」や「巧みな仕掛け」にとどまらず、そのアイデアが社会の中でどう生き、どう広がり、人のどのような行動を引き起こすのか。粘り強く考えられているプランを、高く評価しました。PRの仕事の本質は、単にストーリーを語ることではなく、ストーリーが人や社会の手に渡った後まで責任を持つことにあります。
今年選ばれたチームの提案は、課題設定の解像度と当事者への想像力の高さがアイデアの端々から感じられ、自分たちが社会の一員としてどう関わっていくのかの覚悟がプレゼンテーションから伝わってきたものでした。論理やテクニックを超えた、様々な人の感情への理解と配慮こそが、PRパーソンとして最も大切な資質であると、審査員皆が考えています。
日本予選に挑戦した皆さん。今回の挑戦はゴールではなく、皆さん自身の問いや感情を世界に投げかけるスタートラインです。今回の経験を、自身の価値観を揺さぶり、可能性を更に広げていくきっかけにしてください。
最後に、選ばれた皆さん。昨年もお伝えしましたが、日本予選を勝ち抜いた皆さんは、世界の中でも最も過酷な予選レースを勝ち抜いたことになります。皆さんの健闘に、心から敬意を表します。スパイクス、カンヌの本番まで、まだ時間がありますので、審査員との意見交換の場を設けさせてください。パブリックリレーションズの楽しさ、奥深さを実感しながら、世界でも栄冠を勝ち取れるよう、一緒に準備ができればと願っています!
審査員 嶋野 裕介電通
ヤングカンヌの審査は数年ぶり。まずは一次審査の応募作のレベルに衝撃を受けました。カンヌ受賞作は誰もが見れる時代。どの案にも“カンヌっぽさ”がすでにインストールされている。AIの普及で、インサイト・課題の発見・企画書デザインのどれも平均以上のレベル(それゆえに、個性がでづらいとも感じました)。だからこそ「情熱」と「準備」が勝敗を分けました。企画の根っこに自分の魂が乗っている案はやはり強かった。最終プレゼンで私は全チームにクリティカルな質問をしました(厳しかったですよね。すいません)。そこで見たかったのは、多少理屈が通ってないとしても本気でその案を信じているかどうかの熱量。優勝チームのプレゼンは、その熱が一番高かったです。一方で、プレゼンの練習不足のチームが多かったのは残念でした。一次予選から本戦までの時間をもっと取ってあげて欲しいなと感じました。みなさん、応募ありがとうございました。
審査員 中川 諒Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song
参加者のみなさま、まずはおつかれさまでした。
今回は特に、お題を複雑に捉えたチームが多かったように感じます。
結果的に、総1200ページを超える応募資料であったにも関わらず
目が止まるアイデアは例年に比べ少なかった印象です。
今回のようにお題のテーマが広いときは、思い切ってテーマを絞ることをお勧めします。
料理にたとえて説明すると、お題が「中華料理」くらい広くていい料理を提供できないとしたら
うちは麻婆豆腐を出しますなのか、うちは餃子を出しますなのか、
自分たちの得意分野を発揮できる料理名くらいまで絞ってもいい(絞ったほうがいい)。
その料理名を選んだ必然性のある理由を説明してくれれば
審査員も納得して食べると思います。
たとえば「中華の中でも餃子は人気で、日本人にとっても国民食だ」とか
理由はなんだっていいのです。美味しければ。
結局、アイデアのジャンプを見られる競技なので
お題を見た時にどう戦うべきかという戦術は、アイデアを出す作業以上に
勝敗を分ける競技です。
今回2次のプレゼンに残らなかった100組を超える皆さんは
まずは戦い方、もっというと誰と戦うかから考えて
来年望んでください。
ちなみに僕の好きな餃子は、
銀座の天龍と新橋の怜々です。
町田の小陽煎饅頭屋の小籠包も美味すぎるのですが
どれだけ気をつけても絶対に火傷するので注意です。
審査員 村山 佳奈女博報堂ケトル
Design
デザイン部門
たくさんのご応募ありがとうございました。以下、デザイン部門の最終結果と審査講評になります。
Entry No.D009
博報堂大塩 伝恵
博報堂福久 はな
Entry No.D056
TBWA\HAKUHODO山口 泰尚
地球中心デザイン研究所古林 萌実
Entry No.D066
ENJIN増田 有生
東北新社串間 碧
応募状況
提出作品数:62作品
総評・コメント
審査員長 筒井 晴子電通
ご応募いただいた皆さま、ありがとうございました。
短い時間での企画、2次選考のプレゼン準備、本当にお疲れ様でした。
デザイン部門では、課題を解決する『アイデア』とアウトプットとしての
『ヴィジュアル・アイデンティティ』の両方を見させて頂きました。
「アイデアは良いんだけど」と言う会話が、審査中に何度も出たように思います。
アウトプットまで辿り着けていなくて惜しい。でもデザイン部門の肝はそこです。
アイデアをどうデザインアウトプットに落とし込むのか、
他のやり方はないか、他の角度はないか、色の設計や形はこれでいいか、
なぜこのフォントなのか、タイトルはこれでいいのか。
このVIによって、ポジティブにしたいのか、問題を突きつけたいのか、
効率的にしたいのか、世界観のコントロールも大事な要素です。
そうして何度もコンセプトとアウトプットを行き来する。
そもそもの課題とずれていないかを確認する。
その思考が深められていたのが、ゴールドを獲ったチームでした。
1次のボードでは弱いと思っていた上記に書いたようなことが、
2次の面接の時には見事にブラッシュアップされていました。素晴らしかったです。
日本代表チームの選考は、コンペではありますが、
本戦で戦えるチームかを見させてもらうことが目的です。
デザインとして、アイデアからアウトプットまで血を通わせられる、
そんなチームが選ばれました。カンヌでぜひ祝杯をあげてください!応援しています!!
そして皆さま、来年もまたトライしていただけたら嬉しいです。
ありがとうございました。
審査員 川村 真司Whatever
企画はオリエンに答えているけど、デザインのクオリティが低いもの。企画がオリエンに答えていないけど、デザインのクオリティが高いもの。耳に痛いかもしれませんが、今年の審査を振り返ると、ほとんどのエントリーがこのどちらかだったように感じます。オリエンにきちんと答えながら、ユニークなアイデアをデザインの力で美しく形にしていたのは、正直優勝したチームだけだったように思います。彼女たちはプレゼンテーションも素晴らしかったので、カンヌでもぜひ頑張ってきて欲しいと期待しています。
逆に来年以降エントリーを考えている人にアドバイスがあるとすると、「まずオリエンをしっかり読んで、ちゃんとオリエンに答えよう」ということです。デザイン部門ではあるのですが、まず企画/アイデアがオリエンに書かれた課題に対するソリューションになっていないと、そもそも評価の俎上にも上りません。そこにもっともっと厳しく向き合ってみましょう。その上で、そのアイデアをなるべく分かりやすいビジュアルで表現してみましょう。アワードなので、普段よりは実現性とかは考えないでいいかもしれません。ちゃんとロジカルに課題解決ができそうなアイデアが、記憶に残るようなビジュアルで表現されていれば、全然上位入賞できるカテゴリーだと思っています。来年はそういった作品が増えることを楽しみにしています。
審査員 木村 洋電通
受賞したみなさま、おめでとうございます。 惜しくも敗れてしまったみなさまもお疲れ様でした。
今年もBriefが難しかったのか、みなさんの悩んだであろう痕跡が
ボードから垣間見えました。そもそもこれらの問題をVIだけで解決できるのか?
という問題があるのかもしれません。
また課題を考える上で、デスクトップリサーチで満足していないか、
アイデアとして面白いのか?新しい視点なのか?デザイン部門のデザインとして相応しいのか?
という視点が欠けているものも多かったと思います。
特に企画ファーストで、デザインが疎かになっていたのもが多かった印象を受けました。
デザイン部門はデザインが評価される部門です。企画も大切ですが、来年も参加できる方は、
良いアイデアが思いついたら、デザイン的視点でも世界に通用するのか?を
考えてみていただければと思います。
審査員 河野 吉博TBWA\HAKUHODO
皆様、本当にお疲れ様でした。
デザイン部門の審査を通して、特に大切にしたポイントを共有します。
本コンペは、日本代表を選出し来年の本戦で Goldを狙えるチームを選ぶことを目的としています。
その前提で審査の軸となった考え方をお伝えします。
まず、最も基本的でありながら、意外とクリアできていなかったのが
「ブリーフを正しく理解し、きちんと向き合えているか」という点でした。
今回のブリーフでは、VIを軸にしたアイデアであることが大前提でした。
そして、展開までVIから自然に広がっているかを見ました。
VIと関係のない施策や表現は、評価が難しくなります。
また、働く環境をより良くする提案になっているかも重要なポイントです。
職場環境の変化や価値向上につながらないアイデアは、どれだけコンセプトが魅力的でも評価できません。
加えて、インクルーシブな職場をテーマにする以上、
表現が本当に適切か、誰かを無意識に傷つけてしまう可能性はないかといった
きめ細かい視点も欠かせないと考えました。
次に重視したのが「Visual Communicationとしての強さ」です。
本戦の受賞作を見ても、Cannes Lionsのような広義の意味での「デザイン」ではなく、
Graphic Designとして、どれだけ視覚で語れているかが問われる場だと感じています。
デザインは説明するものではなく、見る人に伝わるもの。
言葉に頼らず、ビジュアルだけでどこまで意図が届いているか。
デザインが自然に「喋れているか」を大切な評価軸にしました。
その延長として、展開力も見ています。
ロゴを作って終わりではありません。
そのVIが、空間やツール、体験、モーションなどへ無理なく広がっていく設計になっているか。
短期間の制作であっても、その先まで想像できているかが問われます。
実際、昨年の本戦ではモーションロゴを制作したチームがGoldを受賞しており、
モーションまで踏み込めているチームは、明確な強みになっています。
もちろん、限られた時間の中で制作していることは理解しています。
それでもコンペは競争です。
応募作が並んだときに、
クオリティで一歩抜けているか。
展開の密度で差をつけられているか。
設計の精度で他を上回れているか。
厳しいですが、最終的にはその「ぶっちぎりの強さ」を見せたチームが選ばれます。
最後に。
応募された皆さん、本当にありがとうございました。
仕事と並行しながら、ここまで考え抜いたこと自体が素晴らしい挑戦だと思います。
その上で私たちは、「世界で勝てる一組」を選ぶために、真剣に審査させていただきました。
プリント部門
たくさんのご応募ありがとうございました。以下、プリント部門の最終結果と審査講評になります。
Entry No.P158
読売広告社田畑 良
博報堂アイ・スタジオ奥村 浩平
Entry No.P042
Hakuhodo DY ONE矢野 陽太
電通小原 詩海
Entry No.P079
電通デジタル植木 隆斗
電通デジタル髙屋敷 日奈子
Entry No.P052
TBWA\HAKUHODO小野 ひかり
TBWA\HAKUHODO望月 瑠海
Entry No.P032
電通デジタル加藤 瑶子
電通デジタル栗崎 雄矢
Entry No.P025
オリコム岩崎 遼
オリコム山口 歌蓮
Entry No.P152
サイバーエージェント宮本 璃子
サイバーエージェント町田 圭佑
応募状況
提出作品数:152作品
総評・コメント
審査員長 浅井 雅也Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song
プリント部門にご参加いただいた皆様、大変お疲れ様でした!今年は前年よりも参加者数が増え感謝です。初めての2次審査開催もさせていただきファイナリストの方々にはご負担もかけましたが、多面的に審査させていただき審査員一同良質な議論をさせていただきました。今年の受賞者に共通していることは、シンプルなビジュアルの中にある納得感とか必然性を感じるか?と言った視点でした。クラフト系部門としてビジュアルにフックや作り込みを感じるかは当たり前ですがとても大事です。AIに絵を任せている作品が数多くありましたが、大半がクラフトが足りていなかったです。構図や意図にこだわり、一瞬で目を奪うビジュアル。一目でストーリーがわかることやそこにコピーが追い打ちをしてくる。そんな体験をデザインしていないと上位にはランクインしなかったかと思います。1次も2次もオーディエンスのの行動変容を求めるブリーフだったので、お題をそのまま比喩的に置き換えるだけではない、共感や良心の疼きを引き起こし、人々のモチベーションの源泉を描くことが最低限の予選通過の条件になりました。
受賞者含めてどの案もストレート、やや真面目過ぎるかな?と思うところがありますので、例えば去年カンヌ現地で受賞した作品もそうでしたが、スポーツや音楽など含むカルチャーの視点から表現する案など、もう少し肩の力を抜いても良いのかなと来年の応募の際には是非ご検討ください。ゴールドのチームは是非日本のクラフトの美しさとユーモアをもって世界をときめかせて本戦を楽しんできてください!おめでとうございます。
審査員 市川 直人
去年が過去最高のエントリー数だったのですが、それをさらに更新したエントリー数。
152チーム、304人のみなさま。あらためて、ご参加ありがとうございました。
「本戦で世界と戦えて、勝ちにいけるチームを選ぶ。」
そんな審査の大方針のもと、その確度を上げるために、過去の審査会でも度々その必要性について議論になっていた、「プリント部門初めての二次審査」を今回から実施しました。
プリント部門は提出物が非常にシンプルなプリント1枚のみで、どうしてもそれだけだと、判断が難しい部分も出てくるため、2つの異なる課題でその思考の幅やポテンシャルもよりしっかり判断できれば、というのが背景です。
今回、一次審査では「職場のインクルージョン」という社会的なテーマに対する解釈力が問われ、二次審査では一転して「EVの普及」という産業的課題への対応力が試されました。
この二段構えの審査を通して、テーマが変わっても幅広く柔軟に安定して新しい視点や、グローバルに通用する太いアイデアのアプローチ、それを定着させるクラフト力について、審査員たちでじっくり時間をかけて、議論していきました。
🥇Gold:
ゴールドのチームは一次審査の「Fit everyone into a mold.」で、インクルージョンを今では世の中のスタンダードになった「枠」を使って可視化した点がスピーディーにアイデアを伝えていた点が評価された。二次審査ではその思考の姿勢を維持したまま、「Don’t be a Silent Killer.」
というコンセプトでEVではなくガソリン車に乗り続けることをシンプルに可視化した。どちらも、英語的なメッセージのアプローチに安定感がありつつ、強い断定力も持っていた。モチーフの選び方や、エグゼキューションのビジュアルは、さらに飛ぶことができるのでは?と審査でも議論になっていたので、本戦では、今の視点発見のアプローチはキープしながらも表現でもっと飛ばせると、さらに飛躍できると思います。
🥈 Silver:
シルバーのチームは一次審査で、オンライン面接という日常的な変化を通じて「身体的バイアス」を軽やかに反転させる切り口を提示。二次審査では「BABY ON BOARD!」というコピーとシンプルなビジュアルで、ガソリン車に乗ることをを、「気をつけるべき日常の危険」として捉え直した。
一次・二次ともに、生活者の無意識に入り込む視点のうまさが際立つ。一方で、ゴールドと比べるとコミュニケーションスピードが少し遅かったり、「削ぎ落とす」作業がもう一歩たりず、蛇足となるコピーが入っていたりなどで、惜しくもシルバーとなった。特に二次審査の作品の、ビジュアルのアプローチは良い意味で課題からの距離があり「思わずみてしまう、考えてしまう」を実現していて高い評価が集まっていた。
🥉Bronze:
ブロンズのチームは一次審査で「Where did that classmate disappear?」という多くの人が共通して持つ記憶に訴える問いを用い、インクルージョンを個々人が自分ゴト化しやすい問題として丁寧に描いた。
二次審査では「The Cure」というコンセプトで、EVを空気汚染による健康被害への処方箋として表現し。ビジュアルモチーフの選び方に少し既視感があった点が、シルバーやゴールドとの差となった。そして一次・二次ともにアプローチがやや情緒的で静かなものであり、価値観を強く、スピーディーに、ひっくり返すような表現があと一歩足りなかった。けれど、一貫して課題から視点を見つける力が高く、余韻の残るプリントを作れている点は審査会でも評価が高かった。
本戦、楽しんできてください。
審査員一同、応援しています。
いってらっしゃい。
審査員 細川 万理ADKマーケティング・ソリューションズ
今回初めて、ヤングライオンズ日本予選の審査員を務めさせていただきました。カンヌで闘い抜けるポテンシャルのあるチームを選ぼうという大方針のもと、私は課題の捉え方にユニークネスがある作品にまず惹かれました。その上で、グラフィック一枚で人を振り向かせる、言い訳無用のデザインとコピーライティング、最終的な定着力も、とても重要な要素。審査員のみなさんと熱く議論し、総合的な観点で代表チームを選ばせていただきました。
ただ、以前Print & Publishing部門のShortlist審査員を務めた経験からも感じるのですが、カンヌで評価される作品には、日本人が発想しにくい独特の芸風があります。課題との絶妙な距離のとり方、アイデアのひねり方、要素の削ぎ落とし方…その鮮やかさに「なるほど!」と膝を打つことは多いですが、「どういうこと?」と首を傾げる場面もまた多い。といった面では、カンヌ的(≒欧米的)文脈と日本予選の作品には、まだ少し距離があるように感じました。だからこそ、代表チームも、来年またチャレンジするみなさんも、ぜひカンヌの文脈を深く研究し、感覚を研ぎ澄ましていっていただきたいです。クラフト1本で勝負するプリント部門は難しいけれど、やっぱりクリエイターとしてとても刺激的で楽しい部門。これから先、審査員が唸る小気味いいアウトプットが生まれることを楽しみにしています。ご健闘をお祈りしています。
審査員 谷島 康葉ジェイアール東日本企画
短い期間で課題に取り組まれた応募者のみなさま、大変お疲れ様でした。
審査会で重視されていた点を下記にまとめます。
ぜひ、来年以降の参考にしてみていただければと思います。
1次課題は障がい者雇用について、
当事者でないとどうしても実感しづらい社会課題を、ドキッとするような切り口で身近に感じさせた作品に票が集まっていたように思います。
とてもデリケートな問題でもあるので、ポジティブな未来を感じられるか、誰かを傷つける内容でないか、といった点もとても重要でした。
今回から2次審査があったので、2次でも作品を見てみたくなるような、攻めた表現をした
チームが勝ち残ったことも印象的でした。
2次課題は電気自動車(EV)の普及について、
本戦がどんなテーマでも戦える対応力と表現の幅があるか、が重要な審査ポイントでした。
どのチームの作品も魅力的でしたが、構成が1次と似ていたり、設定に無理矢理な部分があったりするとどうしても票が入りにくくなってしまうのが惜しいと感じました。
ゴールドのチームは、1次2次ともに安定感があり、わかりやすいながらも説明的になりすぎていない表現に票が集まっていました。
本戦出場、本当におめでとうございます!
ぜひ現地でも楽しんで戦っていただければと思います。
審査員長 大塚 智Droga5 Tokyo, Part of Accenture Song
審査ではスタート時に「今の時代においてデジタル部門とは何か」の話題をいつもします。
なぜかというと、集まったエントリ作品を見渡すと、どうしても「いかに流行りのデジタルツールをうまくつかえるか」を競うカテゴリに見えてしまいがちだから。今年でいえば、ややもするとアイデアボードが細かいスマホ画面ばかりで違いはどこだろう、、という印象もありました。
ただヤングカンヌは、自分たちのアイデアの個性を尖らせて、ボードやプレゼンで世界と戦えるチームであることをアピールする場です。その意味では、表面的なデジタルっぽさよりも、本質的なアイデアのユニークネスや強さをまず追求することの大切さを見直す審査になりました。結果的に、独自性の高いアイデアを考える力と、その意義を上手くプレゼンできる力の両方を備えたチームが、上位に輝いたと思います。
Goldの「Zoomouth」は、デジタルカルチャーの中で限りなくシンプルにビジネスとエンタメの文脈を横断して、問題の解決を導くという素晴らしいアイデア。自分たちが考える強いアイデアとは何かをプレゼンで示してくれたのも、印象的でした。Silverのチームも、コアアイデアがどこにあるかを自分たちで定義してアピールしたことが、チームとして頼もしかった。
強いアイデアを考え出すのと同じくらい、そのアイデアのどこが強いのか、自分たちで定義してアピールできることは、若手の皆さんが世界と戦う時の大きな武器になるはず。ヤングカンヌはこれからも続いていくと思いますが、その時代だからできる、自分たちだから出せるアイデアを磨いて世界を驚かせてください!