2020.7.20 share

LIONS Live期間、18-30歳の若手向けコンペティションが行われました。
世界71国、928作品エントリーがあった中、日本から電通 鈴木絹彩さん、佐々木楓さんのペアが見事4位に輝きました!
今回は、鈴木さん、佐々木さんに今回のコンペティションでの感想をお聞きしました。

今回のコンペティション課題

クライアント:WFP国連世界食糧計画
形式:90秒以内の動画
食料廃棄問題に対する人々の意識を高めるキャンペーン
途上国には1億人以上の飢餓に苦しむ人がいる一方、先進国では、製造された食品の約1/3(年間約13億トン)が、食べられることなく廃棄されているという現実があります。
キャンペーンを通じて、特に先進諸国の人々に食品廃棄の問題に気づき、問題解決への行動を生み出すきかっけを作り、さらにはWFPの活動への寄付を促すことが課題です。

電通 鈴木絹彩さん、佐々木楓さんの作品

― 今回、コンペティションに応募をしようと思った理由を教えてください

佐々木さん:LIONS Liveの中でもヤング向けのコンペティションをする、というお知らせをみて、過去ヤングライオンズに応募したこともありチャンスかと思って応募しました。
普段の仕事だと、自分の裁量でできることは限られていますが、コンペティションだとすべて自分たちの裁量で作品を作れますし、名前もでるので。

鈴木さん:海外の賞だと受賞すると海外に行けるのも魅力的です。
(※今回のコンペはグランプリに来年度のカンヌライオンズのパスが授与されました)

―コンペティションの課題についての感想を教えてください

佐々木さん:カンヌライオンズ自体が今回オンライン開催となったのも、コロナの影響だったので、課題はコロナに絡んだものになるかと思っていました。
しかし、実際にはもっと根源的な大きな課題だったので考えやすさはありました。

鈴木さん:フードロス、というのは自分たちでも行動できること。生活に近いところにある問題で考えやすいな、と思います。

― コンペ全体の感想(楽しかったことや、大変だったことなど)をお聞かせください。

佐々木さん:今回のコンペは土日も含んでいたので、最後の土日に一気に仕上げていった、という感じでした。それまでは、毎日オンラインで短時間ミーティングを行っていました。
毎回のミーティングまでにそれぞれ案を考えて、それをすり合わせていきました。
前回もヤングライオンズの国内選考に応募したのですが、その際もそれぞれ大阪と東京に住んでおり、オンライン会議を行っていたので、慣れもあってスムーズだったよね。

鈴木さん:毎日ちょっとずつ詰めていけたのでよかったね。
今回のコンペティションは、国内予選などがなく始めから世界中のエントリーがあつまってきて、またかなりスピード感もあって、なんだか楽しかったです。
また、他の人のエントリー者の作品もみることができるので勉強になりました。

― LIONS Live提出作品「SHOPPING WITH PLUSHIE」のコンセプトは?

佐々木さん:「楽しく、かつ小さくてもいい方向に向かう」ですね。

鈴木さん:参加する際に負担があるのではなく、楽しいから参加するようなポジティブな行動を促すキャンペーンにしたいと思って作りました。

― 今回の作品のアイデアはどこから湧いてきましたか?

佐々木さん:煮詰まってきていて、ギリギリまで考えていて最後のもうひと粘り…って感じでした。いろんなイラストを落書きのように書いているときに、買い物かごにぬいぐるみを入れているイラストを何となく描いて…。その小ネタからスタートしましたね。
ただ最初から、世界をよくする、状況を改善する課題に対して「おもしろい、楽しい」もので解決したいという気持ちがありました。

鈴木さん:例えば、食糧不足の悲惨な状態を見せて人の感情に訴えるような解決策も考えられると思うのですが、最終的なイメージは楽しい方向に行きたいと思っていました。
このアイデアを出してからも、そもそもぬいぐるみって持ち歩くのか不安になりましたが、色々とリサーチしていくなかで旅先にぬいぐるみを持っていき写真を撮る「ぬい撮り」というアクテビティがあることを知りました。

佐々木さん:あと、ターゲットがはっきり決まっているときは、身近な人で、そのターゲットに当てはまりそうな人を召喚してアイデアをブラッシュアップしていきます。
あー、この人だったら、こういうこと言いそうだな、とか。このアイデアに対しては指摘が入りそうだな、とか。

― 北米のスーパーマーケットの買い物かごがどんどん大きくなっている、という面白いデータはどうやって見つけたのですか?

佐々木さん:まずは、まとめ記事やフードロスに関するTED talkを見ることから始めました。そこから、文献に当たり始めました。

鈴木さん:フードロスに関する文献を色々検索していて、その原因の1つに「買いすぎ」があることを知りました。そこから、人々が買いすぎてしまう理由を調べ始めたのですが、その際に「人はかごに隙間があると埋めたくなる」という説が出てきて、それを裏付ける1つの根拠として、北米のスーパーマーケットでかごを大きくしている、という話が出てきたんです。そこから、じゃあ、かごの隙間を埋めることができれば解決の糸口になるのではないかと考えました。

― 今回、カンヌ現地でのフェスティバルは中止となり、オンラインでLIONS Liveが行われましたがセッションはご覧になられましたか?

佐々木さん:はい。コロナの話題から、ローカルやプリミティブな感性が大切になってくるのかな、という流れを感じました。

鈴木さん:コンペティションの結果発表をドキドキしながら見ていました!
また、結果発表の前のバーガーキングのセッションは、「キング」というバーガーキングの印象的なキャラクターが生まれた現場の裏側をフィーチャーしていて、楽しく拝見しました。

― ヤングライオンズコンペティションはお2人にとってどんなもの?

佐々木さん:自分たちの意見でどんどん自由に発想してアイデアを形にして行けることが楽しいです。コンペに参加することで、たとえ賞を受賞できなくても世界の問題について考えるきっかけになるし、そのことは決して無駄にはならないと思います。
いつか自分がつくった作品をもって、現地のフェスティバルにも参加したいですね。

鈴木さん:普段の業務と考え方がちがうな、と思います。日本だけじゃなくて、海外にも通用するアイデアを考えるのは、刺激的です。普段の業務だったら突っ込まれそうな、シンプルすぎるアイデアもOK。今回受賞した「SHOPPING WITH PLUSHIE」もコンペティションだからこそできた表現だったと思います。