2021.3.19 share

今回で3回目となるLIONS Live。さて、カンヌ事務局は、どんな仕掛けを考えて来たのか?

LIONS Liveも、2020年6月と10月に続いて、3度目の開催。今回は、2021年3月1日(月)~3月5日(金)の5日間、配信されました。今回の特徴や、筆者が気になったセッションの中身について、2回にわたってレポートをします。

今回のLIONS Live、その全体の構成は?

今回の全体テーマは、The New Creator’s Toolkit(新しいクリエイターのツールキット)です。ツールキットは“道具一式”といった意味合い。またここで言うCreatorは、いわゆるコピーライターやアートディレクターなどクリエイティブ部門の人だけを指すわけではなく、「クリエイティビティを使って仕事をする人」くらいの広い意味だと考えられます。

そして、ツールキットという“何かを組み立てる時の道具箱”的なものを連想させる言葉を用いることによって、「実際の現場で役に立つ」「誰でも使いこなせる」というニュアンスを出そうとしていると感じました。また、「どのようにキャリアを積むべきかについてのベストなアドバイス」とか「クリエイティブ・サクセスのためのツールキット」とか、ニュアンスとしては今までより若手を意識しているようです。10月の時にはスポットが当てられていた“組織におけるリーダーシップのあり方”といった上層部向けのテーマは、あまり取り上げられていなかったように思います。

そして、アフターコロナが強く意識された「2021年のクリエイティビティはどうあるべきか?」といったテーマにも、フォーカスが当たっていました。

そうした流れからか、月~金の構成が、月・火・水の前半3日間は通常のセッションですが、木曜は「あなたの未来にフォーカスしたベスト・キャリア・アドバイスを提供」する日に特化し、金曜は「2021年にクリエイティビティでサクセスするためには?」というテーマに絞って取り上げられていました。

木曜と金曜の構成は?月・火・水は、どうだったのか。

木曜は、過去2回のLIONS Liveにもあったカテゴリーである「ホワット・アイヴ・ラーント(私が学んで来たこと)」で取りまとめられていました。このカテゴリーは、広告ビジネス界で成功している人が、自分のクリエイティビティ哲学や時に若い頃の失敗談などを語るもの。元々が、若手を意識したカテゴリーでした。今回はさらに、「ワークショップ&Q&A」と名付けられた“質疑応答会”のようなコーナーを設けていました。登壇者が話している25分のうちに視聴者からオンラインで質問を受け付け、その後に15分の間、当の登壇者が質問に答えるというコーナーです。

登壇したのは、グローバルDENTSUのクリエイティブCEOであるJean Lin、Greyロンドンのプレジデント&CCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)であるLaura Jordan Bambach、米国の有名なクリエイティブ・エージェンシー“グッビー・シルバースタイン&パートナーズ”のファウンダーRich Silverstein、そしてJeff Goodbyといった錚々たるメンバーでした。皆さんも、次回こういう機会があったら、質問をパソコンから打ち込んでみてはいかがでしょうか。

金曜の構成は、「ガイド(Guides)」というカテゴリーのみでした。筆者はオンデマンドで視聴しようとしたのですが見ることが出来ず、その代わりか、資料を見ることが出来たり、ダウンロード可能なものもありました。題名には、「あなたのクリエイティビティを加速させるエクササイズ」とか「クリエイティブ・コラボレーションをするためのエクササイズ」とか「競合プレの仕方をバーチャルでマスターしよう」と言ったワードが並び、ここでも若手にフォーカスしている様子が伺えました。

月・火・水は、 1.Dear Creators of 2021(2021年のクリエイター達へ)・・・過去2回の“フューチャー・ゲイザーズ(未来を見つめる人達)”に当たる、
2.The Expert Guide to・・・(エキスパートからのガイドの数々)、
3.CMOs イン・ザ・スポットライト(CMO達にスポットを当てて)、
4.LIONS Intelligence Guides(カンヌの知見のガイド)、
5.LIONS Live Unwrapped(著名な業界人による一日のまとめ)・・・前回の“ザ・エキスパート・ガイド(エキスパートによる当日のまとめ)”に相当、
といったカテゴリーで展開されました。

金曜のセッションから、2021年アフターコロナの8つのテーマについて。

金曜のプログラムのトップを飾ったのは、The Big Creative Themes for 2021(2021年に向けたクリエイティブの重要テーマ)というものでした。そして、“これは一つの革命だ・・・”との副題も付けられていました。
これは、アフターコロナを強く意識して、カンヌライオンズ事務局が1,500人以上の広告ビジネスやマーケティングビジネスのリーダー達にアンケートを実施し、その結果を元に8つのテーマを掲げたもの。この原稿を執筆している3月14日現在、LIONS Live のサイトでレポートを見ることが可能です。

8つのテーマとは、
1.コロナ禍はどんな形ですべてを変えてしまったのか、
2.危機と向き合う、
3.今ここは終着地ではなく旅の途上だ、
4.以前よりさらに良い形で再建しよう、
5.ブランドは今後も世界を救えるのか、
6.私につきまとってる?、
7.一時的なものか未来になり得るものか、
8.バニラ・コンテンツ問題(この場合の“バニラ”は“平凡な”の意味と思われる)といったものです。

次回のレポート②で、この8つのテーマのうちの幾つかについて、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
※LIONS Live2021年3月版については、今回と次回の2回にわたって報告して行く予定です。お楽しみに!