Day5:Creative Capabilities & Processes Day

最終日、5日目はCreative Capabilities & Processes Day(クリエイティブの可能性とプロセスの日)。

在宅でも素早く、簡単に、コストを抑え広告づくりをしているケースも紹介されるそうです。

14:10 – 14:35 (BST) 25min Mindscapes Presents the Rules Behind Breaking Creativity Rules

Talent: Yonathan Dominitz
Category: Insider Stories – Creative Capabilities & Processes

Rules Behind Breaking Creativity Rules(クリエイティブのルールを破るためのルール)

アワード受賞作品のパターンを分析。

毎年数千のカンヌライオンズを分析。81%には共有のパターンがある。例えば、以下の3つのキャンペーンにどんな共通項があるか考えてみて欲しい。

①メキシコの血が流れていればいるほどディスカウントになるAeroMexico航空のキャンペーン

②絞った時間を印刷したオレンジジュースを販売したスーパー

③あるいはDoconomyのクレジットカード、DoBlack。

消費を通じて環境負荷を数値化し、その数値が高いとカード使用が制限される。

これらに共通するのはDynamic Connections、つまりこれまでつなげられていなかった点を新しくつなげて新しい価値を生み出したケースだ。
複数の変数を探し、組み合わせることができるか考える。オレンジジュースは時間×値段を組みあわせた。時間が経つと安くなるなど。
Dynamic Connectionsは新製品、販促、ストーリーテリングで使える手法だ。

あるいは別の手法をみてみよう。下記のキャンペーンに共通する手法はなんだろうか。

①バーガーキングの「カビ・バーガー」

人口保存料を使用せず、素材が新鮮だから、競合に比べすぐにカビがはえると比較したキャンペーン。

②Skittlesというキャンディメーカーのキャンペーン。

たった一人大ファンのための制作したスーパーボールのCMを流し、ほかの人は彼の反応をSNSを通して観る、というキャンペーン

③REIというアウトドア流通チェーン。一大セール Black Fridayの時に店に殺到するのではなく、自然を感じて欲しいとセールの時にお店を閉じたキャンペーン。

これらのキャンペーンの共通点は「Sabotage/Removal (サボタージュ「あえて傷をつける事」と「排除」)」。カビ・バーガーとREI はある意味カビだらけにすることでサボタージュという価値を使った。Skittlesは視聴者を一人以外全部「排除した」。
アイデアをオリジナルに考えてもいいし、壁に突き当たったらこう言ったパターンから(強制発想的に)考えてもいいだろう。最近ではデータをどうクリエイティブのアイデア化に使えるかについて研究している。
Mindscapes

様々なクリエティブ表現をみて、僕はパターンを探そうとしている。違うように見えても、実は思考性に共通点が見てとれる。それをベースにアイデアを考えるのがいいと考えている。でも絶対にこのパターンがいいということはない。狙いによって違うから。それこそクリエイティビティが最も大事。そしてぐっすり眠って力を蓄えること。

14:35 – 15:05 (BST) 30min CMOs in the Spotlight: Raja Rajamannar, Mastercard

Talent: Charles Day, Raja Rajamannar
Category: CMOs in the Spotlight

マスターカード 社CMO(Chief Marketing Officer)Raja Rajamannar氏が登場。
チームのそれぞれの人物の強みを理解し、正しいポジションにつかせることが大切。データやテクノロジーの伸長が顕著だが、やはりクリエイティビティが大事。大胆なクリエイティブが生まれるための環境づくりをするマネージメントする人も必要。
コロナでロックダウンが続く中、広告主は自社、あるいは対広告会社の予算を減らさなくてはいけない圧力がかかっている。しかし有能な人を手放すことはしたくない。そこは守らないといけない。
更に僕らは社内にも広告会社にも仕事を失うことはないと伝え、「平穏」な環境を生み出さないといけない。ではないと、いい仕事がみんなできない。
注意が必要なのは、コロナ危機の中でコミュニケーションの方向性がどうしても似てくる。医療従事者をテーマにした広告が非常に多かった。ダメだと言うつもりはないが、独自性を忘れてはいけない。

そして自分たちの自己成長(教育)に時間を投資しよう。
今プロフェッショナルであるためには、その前に善い人間でなくてはいけない。
今、大事な価値は integrity 誠実さ、decency 礼儀。
礼儀がない人は別の会社で働いてもらうよう促すしかない。
在宅の仕事をするためにあるPC周辺機器を購入した。ちょっと高かったが配送費がなんとその2.5倍。手の除菌薬の値段もコロナ下で何十倍にも値段がつり上がった。これはもうブラック・マーケティングというしかない。礼儀がない。生活者は絶対にそれを忘れない。

僕のリーダーシップという意味では、例えば17時以降は会議を入れないという社内ルールを設定した。今は無理をする時期ではない。でも逆にトラブルが起きたら朝の3時でも電話してくるように伝えている。
Project Possibleという名前のプロジェクトを立ち上げた。同じ数の人員でいかに効率を重視し、キャパシティーを高めるために。いわゆる「プロセス」の見直しをした。余分なことはやらないという判断も含めて。
企業は顧客を考える際、「humanity(人間性)」を軸に置く必要がある。
今、注目しているのはAI、VR,ウエラブル、5G、3D プリンティング、コネクテッド・デバイスなど。デジタルでマーケティングのあり方が変わるはずだ。リアルタイムに様々なことができるようになるわけだから。
マスターカード はDoconomyと組んで環境負荷を減らすためにDo Blackというクレジットカードを開発したが、コラボレーションはWin Winである必要がある。またやるからにはコミットして徹底的にやる必要がある。

人とは直接会うことがベストで、スクリーンはその次だと思っていたが、今回学んだのはデジタルを通じて新しい体験をすることができること。
Mastercardは「お金では買えない」価値をコミュニケーションしてきた。それはフィジカルな世界の話だった。今回はすぐにデジタルの文脈でそのメッセージを伝えられるように切り替えをした。

15:05 – 15:20 (BST) 15min The New Storytellers: Gina Ehikodi

Talent: Gina Ehikodi
Category: The New Storytellers

YouTuberでシェフで様々に活躍するGina Ehikodhiさん。お父さんを癌で亡くされたそうです。ナイジェリアの母から教わった地元のレシピを多くの人に届けたかった。そして世界を旅し、インプットを得る。自分で映像制作のクルーを組み、テレビ番組も制作するようになった。そう、ライティングは大事よ。視聴者がまるで「スクリーンから直接食べている」ような感覚を醸成することも。食は文化的独自性そのもの。チャンスに自発性というスパイスを振りかけてみてほしい。

15:20 – 15:40 (BST) 20min Dentsu Presents Sushi Meets AI: Seed Creativity For a Better Future

Talent: Kazuhiro Shimura
Category: Insider Stories – Creative Capabilities & Processes

トヨタのあるプロジェクトに参加し、クリエイティビティの可能性を感じた。常に「Future 未来」を考えている。クリエイティビティは表現以上に様々な領域に展開できるし、未来への種まきができる。これをSeed Creativityと呼んでいる。

TUNA SCOPEを開発し、様々な個体の情報を収集した。その時にAIの力を使った。今まで目利きの目に頼っていた、良いマグロを見分ける技をデータ化することで、いいまぐろの購入が可能になると考えた。職人と議論を重ね、まぐろの尾からそのまぐろの状態を判断することができることがわかった。まぐろビジネスを引き継ぐ若手が減っている中、2017にこのプロジェクトをキックオフし、双日という商社と組んで、TUNA SCOPEを開発した。高品質のまぐろのみを「AIまぐろ」とブランディングし、飲食店に納品もした。AIを使うと経験値のない人でも3倍の早さでまぐろの質を判断することができる。くら寿司もTUNA SCOPEを使うことにし、プレス発表もした。コロナの影響もあったが話題になり顧客が店頭にきてくれた。

TUNA SCOPEは実は社会課題にも役立つと考えている。まぐろを「量」でなく「質」で捉え、必要な量をとることを可能にする。パーソナルからビジネス、社会へと大きな問題を解決できると考えている。

①最初はビジネスパーソナルな課題から始めること

②クリエイティブというより「クリエイティブ+テクノロジー+ビジネス」と考えよう

③シード・アイデアを社会課題に照らし合わせ、未来を開くビジネスプラン化すること

④想像を超える未来を作ろう

15:40 – 16:05 (BST) 25min FCB Ulka’s Swati Bhattacharya – Till Brand Do Us Part

Talent: Swati Bhattacharya
Category: What I’ve Learnt

広告会社のFCB Ulka社から Swati Bhattacharya 氏が人生を語る。

インドで広告会社に入り、ちょうど台頭するグローバルブランドを担当した。でも途中で別の広告会社に扱いが変わったりと大変な時期を過ごし、小さなローカルブランドを担当することになった。グローバルブランドの広告で描いていた世界は「フェイク」。どうみてもそんなお母さんいないって、という世界観だった。そこでリアルで、自分が投影されていると視聴者が思えるような広告作りを目指した。

Susan Cradle(2020/21年のチタニウム部門の審査委員長)という女性がいるが、彼女にFCB IndiaのChief Creative Officerになって欲しいと言われた。驚いたが彼女とはなんでも話せる仲。愛した男性の話もこれまで試してみたダイエットの方法も全て話せる。転職するということはそれまでずっと担当していたあのローカルブランドの Horlicks(乳製飲料ブランド)の仕事をギブアップすることを意味していたが、なんとその後そのアカウントをFCB社で担当することになった。すごいでしょ!(※Horlicksは、いまユニリーバのブランドになっている)

飲み終わった後のHorlicksのプラスチックの容器に思い出の品を入れるとHorlicksが送りたい先に届けるというキャンペーンを実施した。田舎のお母さんに昔のちょっとした思い出の品を送りたいという人たちをCMに登場させた。首相も感動的だとキャンペーンに触れてくれた。ターゲット顧客を「商品のユーザー」として見るのではなく、「人」としてみて仕事をしてほしい。

インド初の女性Chief Creative Directorになったが、惑星直列並みの運とSusanに感謝している。女性クリエーターは少ない。出産をしたばかりの「母」になったばかりの期間が女性にとっては様々な変化に対応しなくてはいけないから本当に大変。でもその時期が過ぎたら絶対にどうにかなる。担当するブランドを愛し、しっかり向き合い仕事をすること。そうしたら魔法がおきる。

16:05 – 16:30 (BST) 25min Day One Agency & Chipotle Mexican Grill Present How Chipotle Got Real on TikTok

Talent: Tressie Lieberman, Blake Cadwell
Category: Insider Stories – Creative Capabilities & Processes

タコスなどを売るファストフードチェーンのチポトレ社セミナー。

店員がお皿をフリップ(ひっくり返す)する映像がSNSで広がり、誰もがFlip Challenge をし、TikTokなどでどんどん投稿がどんどんされた。

Flip Challenge

あるいはアボカドの日にDr. Jeanという有名人と組んでワカモレ・ダンスを広めた。

コロナで人々が家にいる時間が長引いた中、独自アレンジを紹介しまくる人々もたくさん。これらは「チポトレ・ハック」と呼ばれ広がっていった。だからアボカドを使ったメニューの大事なレシピも開示することにして、それをどうアレンジ=ハッキングするかとコミュニケーションをした。一生チポトレが無料という「チポトレカード」を持っているTikTokの有名人にさらにそのカードを5枚送り、TikTokで欲しい人にプレゼンを呼び掛け、公募キャンペーンをやってもらった。

TikTokで今回うまくいった秘訣は、

①スーパーファンを大事にすること。彼らのストーリーをシェアしてもらうこと。

②既存のフォーマットのその先を考えること。

他にもダイレクト・マーケティングを展開。レシピ開発の裏側やASMR(自律感覚絶頂反応)コンテンツを拡散した。

TikTokなので音楽を大事にしながら1)ローファイなコンテンツを作り2)TikTokで一番受けている要素を掛け算して展開した。

TikTokではひたすらテストしながらうまくいくアイデアを継続し、そうでないものは止めるというやり方がベスト。

また汗をかいてコンテンツを作っていることが伝わると大きな反応が生まれる。あとコメントを無視しないこと。自分のコンテンツだけではなく、一番みられているコンテンツのコメントこそを見るべき。こういったキャンペーンを動かす場合は人に任せるのでなく、自らそのプラットフォームに没入して仕事をすること。

常にコンテンツを出し続けているのでチームで仕事をする時には透明性が重要。拡散するには顧客視点で考え、彼らのインサイト(心理)をしっかり取り込むこと。

人々が「シェアしてくれること」が効果の指標である。

スーパーファンを探すには一番ブランドのことを話してくれる人をひたすら探し、アクションが生まれている場所を探す。彼らに企画を見せるが、大体は書き換えられる。そして、彼らを信じることが大切だ。

常に実験する姿勢が必要。4月にうまくいったこと、5月にうまくいったこと、6月にうまくいったことはもう今はうまくいかないかもしれない。

広告会社内には「カルチャー・ハンター」というチームがあって、常にフレッシュな情報を吸い上げている。

16:30 – 16:35 (BST) 5min SIBI: A Message to the Creative Community – Harshada Thakurdesai and Sakshi Choudhary

Talent: Harshada Thakurdesai, Sakshi Choudhary
Category: SIBI: A Message to the Creative Community, in partnership with Spotify

See It Bee It のセッション

16:35 – 17:00 (BST) 25min R/GA Presents Designing a More Human Future

Talent: Tiffany Rolfe, Ben Williams
Category: Insider Stories – Creative Capabilities & Processes

R/GA:社 Designing more human future(もっと人間性あふれる未来をつくる)

人間性があふれる未来を生み出すためにはデータやテクノロジーが必須。

まず「デザイン」デザインで、アイデアがさらに良くなる。さらに加速する。人が中心にあり、そして未来が広がる。

ブランドをOperating System=OSとして捉えよう。OSがあれば行動を規定したり、ロードマップを作れたり、社員が会社に出社する理由ができたりするはず。

Evolved by Nature社の仕事では広告ではなくブランド自体をデザインし、アイデンティティ制作をした。

R/GAではShiseido Beyond Timeというプロジェクトを東京オフィスが担当した。エイジングをテーマに技術を活用した。
S/PARK

NIKEのマイケル・ジョーダンのモデルをプロモートするのもAR技術を使って、これまでになかった購買体験を生み出した。

マーケティングとエクスペリエンスは一心同体。

Googleとも協働しているが、エモーションをどうテクノロジーと同居させるかが常にテーマ。生活者に対してサーブするための新しいテクノロジーを見つけよう。ニーズやパターンを分析して再構築する。

生活者に対してサーブ(仕える)するための新しいテクノロジーを見つけよう。ニーズやパターンを分析して再構築する。

NIKEとのプロジェクトでは子どもたちに対しスポーツのあり方自体をどう打ち出すべきか検討した。これまでの勝つプレッシャーなどではなく、今の子どもたちはFUN、楽しさを求めていることがわかった。

Samsungのスマホのキャンペーンでは #DanceAusomeというキーワードでBlack Pinkとコラボし、TikTokなどでダンスコンテンツを拡散した。

人を中心に未来をデザインする、その姿勢を身につけて仕事に向き合おう。

Merch Aidというコロナで苦しむ小規模ビジネスを支援するプログラム やVerizonでは多くのアーチストとデジタルプラットフォームを組み合わせて大規模なキャンペーンを構築した。

膨大なデータを見る必要がある。その中の金塊をどう見つけだすかだ。生活者を中心に考えると言ったが、社内で働く僕らも生活者だ。自分たちの感覚も信じよう。

人間ファーストで技術が続く。つい新しい技術に目が行きがちだが、これだけは忘れてはいけない。

Ford Motorsのような100年以上の歴史がある企業が例えばD4というデジタルプログラムを推進していて、今注目している。

17:00 – 17:15 (BST) 15min Jackman Presents the Future of Reinvention

Talent: Joe Jackman
Category: Future Gazers, sponsored by Unity

Future of reinvention(再び発明する、その先の未来)

これから大事になるのは、

1)機能的なベネフィットではなくエモーショナルなベネフィット。生活者の64%は社会的課題や政治的課題に対する企業姿勢によって、そのブランドをボイコットする(購入しない)、あるいは購買するという判断をすると言っている。

2)さらに社員も企業のブランドであると考えること。社員の86%はその企業の元社員や生活者に対する評判が悪ければ、その会社にはアプライしないと答えている。

3)チャネル間のコレオグラフィー(統合)をきちんとすること。マルチチャネルの世の中だが、もし唯一のチャネルがあるとすればPeople Channelだ。

4)世界はものすごく早く進んでいる。だからラフでもいいのでラピッド(高速)にイノベーションを世の中に出していこう。例えば、コロナ危機下ですぐにオンライン配信でビジネスを継続させたフィットネス・クラブなどはいい事例だ。

17:15 – 17:25 (BST) 10min The Expert Guide on Creative Capabilities & Processes – Rori Duboff

Talent: Rori DuBoff
Category: The Expert Guide

今日のまとめセッション

①Change:コロナの影響もあるが、私たちは変わる必要がある。TikTokでのファンとの協働みたいにね。

②Brand:人は、信じられないブランドにはもはや見向きもしない。

③アイデアにたどり着くためのプロセス。電通のTuna Scopeの話でもあったようにビジネス的な課題ではなく、「パーソナルな課題」からスタートするとか。

④Radical Collaboration:多様性やコラボレーションが多くみられているが radical=急進的なコラボを考えた方がいい。多くのステークホルダーをまとめあげたりとコラボレーションの仕方が変わってきた。

⑤Decency:礼儀。 人が中心にあるべき

社会テーマによって人はつながっていく。コロナとどう戦うか、みんなでつながって考えていこう

17:25 – 17:30 (BST) 5min Closing Entertainment

Category: Music Showcase, sponsored by Kobalt & AWAL

Rising stars kindly close the show every day. Brought to you by Kobalt Music, today’s performance comes from the talented, Delilah Montagu.

最終日も音楽セッションで終了です。

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