Result結果発表

2021年度のヤングライオンズ、ヤングスパイクスは、2020年度の中止理由がコロナと言う不可抗力なものであるため、カンヌ事務局と交渉し、2021年度のヤングライオンズ日本代表選考会は実施せず、2020年度の代表チームに出場していただきます。
※2021年度のヤングスパイクス「インテグレーテッド部門」に関しては、別途2021年に審査会を行います。審査日程については、後日アップいたします。

2020年度審査結果

※ページ内敬称略

デジタル部門

たくさんの御応募ありがとうございました。
以下、デジタル部門の最終結果となります。

GOLD

エントリー番号:C043
アイ・エム・ジェイ 六郷 勇志
アイ・エム・ジェイ 大星 一馬

SILVER

エントリー番号:C050
HELLO IDEA 小竹 海広
TBWA\HAKUHODO 清水 万里合

BRONZE

エントリー番号:C008
電通テック 家倉 マリーステファニー
電通テック 植田 裕貴

応募状況

提出作品数:63作品

総評・コメント

審査員長 電通 キリーロバ・ナージャ

参戦したみなさま、本当にお疲れ様でした!そして、ファイナリスト、メダリストのみなさま、本当におめでとうございます!
いきなり少し厳しいことを言いますと、もちろん面白いアイディアもありましたが、年々アイディアの質が落ちているような気がしています。
特にデジタル部門は、いつしか「そういう手があったか!」のクリエーティビティから「プラットフォーム使い」へとシフトしている印象です。
これは時代背景とも結びついているかもしれませんが、もう一度、デジタルだからってクリエーティブアイディアから逃げないでしっかり「ワクワク」させて欲しいです。

その上で、今回は3つの難しさに皆さんが悩んでいたのではないでしょうか。

①審査をする中で、今年のテーマは、きっと難しかったんだろうなという印象を受けました。
women empowermentは、世界でもかなり注目してされている課題の一つで、日本でもまだ課題がたくさんある大事なテーマだと思います。
ただ、新入社員や若手では、男女差って実は、もうそんなにないのでは?と思うところがありますので、ヤングのみなさまにとって少しインサイトがつかみづらかったのかもしれません。
上に行けば行くほど強く出やすい傾向にあり、海外とは異なる日本独自の解決策を見つけていかないと日本の女性はついてこれないこともあると思います。
本当は、なぜ特に大企業で女性のCEOが少ないのか?このあたりの課題感をしっかりつかめているチームが意外と少なかったかもしれません。
ここのインサイトとそこから生まれるコアアイディアにたどり着けたチームがファイナリスト以上に選ばれていた印象です。
問題があるのは、みんな知っている。でも、もし日本の女性の2割弱しか管理職になりたくないと思っているなら、ただ単に平等を追求する以外のことが必要になるかもしれませんよね。

②さらに、デジタル部門になるとデジタルに何らかのカタチで関係していないアイディアがもうほぼない中で、どうデジタルらしさを捉えるかというところも難しさの1つでもあったかもしれません。
そのため、既存のデジタルプラットフォームなどにのっかるアイディアが目立っていました。
また、ハッシュタグを作ることで「バズるはずだ」と自然拡散にかけているチームも目立っていました。
もちろん、それも1つの手法ですが、あまりクリエーティブ発想というより仕組みに頼った手法です。うまくいくかもしれませんが、いかないかもしれません。
このあたりを自然に任せずどう拡散していくのか、どう広げていくのか、もっともっとクリエーティビティでどう人を動かしていくのかまで考えてトライしているチームがファイナリストに残っていたと思います。
もしも、プラットフォームを使っていく場合には、それをちゃんとクリエーティブに昇華させているのか、プラットフォーム側が本当にそれにのっかるのかなどをしっかり考えてみていくとよりいいアイディアになるかもしれません。

③そして、さらに企業のトップがターゲットとなると、どう彼ら彼女らの行動を促していくのか、ここが特に難しかったように感じました。
インサイトやアイディアはいいけど、じゃあこれでCXOたちは動くのか、女性が増えるのかというところにしっかりブリッジしているチームはもっと少なかった。
とても面白いけど、でもなかなか行動につながらない。ワークしそうだけど、嫌な気持ちにしかならない。
着眼点はいいけど、ジャンプが足りないから縮こまってしいまった。そんな惜しいチームが目立っていました。
逆に、そこまでクリエーティブに考えられていたチームがメダルに輝いていたのではないでしょうか。

ゴールドに輝いたチームは、bonsaiという意外性のあるキャッチーなモチーフに、性別や写真などではなくその人の様々なスキルを可視化することで新しいexectiveの採用の方法のアプリを提案していた。
一見ただクレイジーに見える案ですが、読み込むと採用プロセスの細部までウィットにとんだ設計がされているところもすばらしかった。
これは、まさに上記の3つのポイントをすべてうまくクリアしていて、つい色んなbonsaiを探して採用したくなるワクワク感を持っている案だった。

シルバーのチームは、#MeTeaというハッシュタグで企業のCXOたちが、自らお茶を出すことで、会社のプレゼンスをあげたり、この課題について考えるキッカケを面白おかしくつくる案。
昨今の#ブームをうまく使おうとしているところや、特に日本で強いお茶出し文化とほぼ男性の企業トップとのギャップに着目しているところがよかった。
この#をどう使いこなして、広げて、爆発させていくかというクリエーティブジャンプがもう一つあったら、ゴールドに届いたかもしれない。

ブロンズのチームは、#UnstereotypedFather’sDayという案で、CXOであるお父さんに子どもが父の日に家事などついステレオタイプにまつわるギフトを贈るというもの。
「父の日」に着目したことや、子どもから働きかけようとする部分の発想はよかったものの、どんなギフトを贈ると話題になるのか?どんなトンマナにするのか?どういうふうに人を巻き込んでいくのか?というあたりの設計がもう少し考えられていたらもっと上のメダルを狙えたはずだ。

たくさんのアイディアをぶつけて挑戦してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
最後に、今年とてもよかったことは、みなさんのプレゼンがかなり上達していたことです。英語力に関係なく、様々な工夫がされていて、ボードの説明を超えて聞いている側もとても楽しく聞くことができました。

来年もたくさんのワクワクするクリエーティブなアイディアを楽しみにしています!
そして、選ばれたチームのみなさん、カンヌやスパイクスの本戦でも頑張ってくださいませ。
応援しています!!

 

 

審査員 ADKクリエイティブ・ワン 大塚 智

“スローガン”or”フレーム”におさまらない強さを

デジタル部門は、いわゆるハッシュタグキャンペーンのような、スローガンで社会ムーブメントを起こそうというアイデアと、検索やアプリなどデジタルインフラ上の仕組みを使ってサービスフレームを開発するアイデアと、2つの部門が一緒になっているかのような印象でした。(これ自体はカンヌ本体がSocial & Influencer部門とMobile部門など、デジタルの中でも細分化していっているので当然だとは思います。)
ただどちらのアイデアも、スローガンを考えたら終わり、フレームを考えたら終わり、というところで止まってしまったチームが多かったように思います。
そのスローガンは本当に世の中に響き渡るインサイトやエグゼキューションが伴っているか?あるいは、その仕組みやフレームは本当に必要な人に届くのか?など、どちらも弱点といえる一般論があるので、デジタル部門ではそこを踏み越えられるかが、上位チームには求められたと思います。

“意外性”と”実現性”、両方ありますか?
そのアイデアやインサイトには、世の中や僕たちがついつい持っている常識に立ち向かう、当たり前ではない視点はありますか。
その違いがあれば、他のチームとは全く違うアウトプットに辿り着くはず。課題が社会的で難しいこともあり、審査で近しいアイデアに見えてしまうものが並ぶと、やっぱり”意外性”は大事だなぁと痛感させられます。
そして、その意外性を発見したら、実現性があるか、もう一度チェックしましょう。
ここでいう”実現性”は、技術とか費用とかではなく、「みんながやりたくなるか」です。今時のデジタルあるあるかもしれませんが、こんなことが広がったらいいな、というアイデアをぶち上げたところで終わってしまい、あとはなんとなく広がりますという乱暴なエグゼキューションが多かったように思います。
ターゲットが提示されたアイデアを、ついやってみたくなる、人に言ってしまいたくなる、という表現の設計は、エグゼキューションというよりクラフトの領域といえるかもしれません。
でも、そのふと感心させられる、笑わせられるひと工夫があるかどうかが、今回上位チームの差を分けたと思います。

 

 

審査員 博報堂 三浦 竜郎

世界には、信じらんないほどスマートなやつらがたくさんいる。

彼らはすごく正しいから、目立たなくても選んでもらえると信じる。
彼らはすごく真面目だから、意外性はリスクだと排除する。
彼らはすごく合理的だから、機能すれば問題ないと考える。
彼らはすごく賢いから、事情に合わせて複雑な解決ができる。
彼らはすごく確実だから、同じ方法を繰り返す。

おかげで、ビジネスは大きな失敗をしないようになれた。

ちょっと前まではそれが永遠にうまくいくように思えたし、
ビジネスパーソンはもちろん、クリエイターだって
過去のやり方を教えてもらったり、成功事例を参考にすれば大丈夫だと思ってた。

でもついに、それだけじゃ続かないってことがわかってきた。
失敗しないことは、成功できることではないとバレてしまった。

これは、そんな時代のヤングライオンズ/スパイクスコンペティション。
ロジックだけじゃ、勝ち抜けない。
スマートなアイデアがみつかったら、そこからだ。

キミのマジックを爆発させよう。
声に出したい、チャーミングなコピーを。
あこがれの先輩を超える、あたらしいデザインを。
誰かに変わったやつだと笑われた、オリジナルなユーモアを。

ゴールドを獲得したBonsaiのチームからは、爆発する作る喜びが伝わってきた。
まずぱっとみて「なんだこれは?」と思わせるデザインがあり、
じっくり説明を聞くと、なるほどと思わせるスマートさが後からついてきた。
プレゼンする彼らからは、そのアイデアがいかに優れているかではなく、
いかにそのアイデアから企画やデザインを広げるのが楽しかったかが伝わってきた。
いい感じ。ぜひそれをカンヌでも。そして普段の仕事でも。

シルバーを獲得した#MeTeaのチームには、
スマートなアイデアがあり、くだらないハッシュタグがあった。
あと一歩、そのアイデアを爆発させる表現がのっていたらゴールドのチームと競った。

惜しくもブロンズにとどまった#UnstereotypedFather’sDayには、
独特の着眼点と、スマートなアイデアがあった。
でも、そこから実際に表現として定着させていくところで解像度が荒かった。
どんなグッズだったら、本当にみんなが乗ってきてくれるのか。
表現にこだわりがあればもっともっと跳ねた。

残念ながら選ばれなかったチームにも、
全体的にスマートなアイデアまでたどり着けているという点で、とても頼もしかった。
プレゼンだって、堂々としてた。
そこからあとちょっと。あとちょっと粘れればと思う。

Make your own magic.

フィルム部門

たくさんの御応募ありがとうございました。
以下、フィルム部門の最終結果と審査講評となります。

GOLD

エントリー番号:F004
ワントゥーテン 富永 省吾
ワントゥーテン 綿野 賢

SILVER

エントリー番号:F002
博報堂 廣田 陽子
TYO SPARK 金野 恵利香

BRONZE

エントリー番号:F059
電通 太田 文也
電通 飯田 羊

BRONZE

エントリー番号:F067
GMO NIKKO 夏 眞雄
GMO NIKKO 富田 洋史

SHORTLIST

エントリー番号:F021
電通九州 辻中 輝
電通九州 大江 海

エントリー番号:F022
電通 佐藤 一貴
T&E 橘 潤樹

エントリー番号:F044
二番工房 神崎 えり
東北新社 細谷 映麻理

応募状況

提出作品数:60作品

総評・コメント

審査員長 TBWA\HAKUHODO 佐藤 カズ―

オリンピックも日本代表になるための道は長く険しいですが、ヤングカンヌも例に漏れず。
ファイナリスト以上に選ばれたチームの皆様、本当おめでとうございます。
そして一次、二次と厳しい選考をくぐりぬけた1-10の二人は本当に素晴らしい。
ですが、日本代表という重い重圧を背負ってもらいます。絶対ゴールドを持ち帰ってきてくださいね 笑

Gold Winner
外国という環境や言語の理解力で企画が複雑になってしまい、せっかくの才能を生かせず帰路についた数多くのチームを見てきました。
その点このチームは複雑な課題をシンプルに整理し直し、それをもっともミニマルな絵と言葉に整地させる突破力があると評価しました。
一枚絵に一行のコピーとロゴで成立できること、それこそがクラフトでカバーできない環境下での戦い方であると、そう判断したわけです。
ただ、このチームは言葉でさらにアイデアをシャープに見せる力がまだ足りない。あと数ヶ月でここを強化してもらえたら幸いです(雑誌Archiveの作品網羅をおすすめします)。

Silver Winner
一方このチームは卓抜としたアートディレクションによるクラフト力に審査員一同魅了されました。
ですが、言い換えるといかにクラフトが良くても肝心なアイデアがふわりとしてると評価は下がってしまいます。個人的にはとても好きな作品でしたが、世界レベルの器に盛られた、そこそこ美味しい料理という印象が拭えませんでした。

Bronze Winner
“Sorry Mom!”
アイデアの切り口が新鮮でした。またストリートキャストで揃えた出演者の質も素晴らしく、現場対応力のポテンシャルを強く感じました。2次の内容が惜しかったかも。。。

Bronze Winner
“A Woman’s Voice”
女性のVoice Commandモノに疑問を呈すは特に新しいアイデアではありませんが、オムニバスで見せられると異常な説得力を持ちました。こちらのチームも二次の内容が。。。

 

 

審査員 AOI Pro. Julie・Thomas

Ultimately as judges, we are trying to find the best team to represent Japan to compete on a Global Stage the strength of Japan’s creativity.
The Young Cannes Lions Film competition is the OLYMPICS of film advertising!!
But to win means creating a film that goes Beyond Borders, Beyond Cultures, Beyond Languages.
A film with a universally understood message. And to do this, I personally feel, means strong Visual Stories that are well crafted.
A film that stands out and immediately makes an impression!
As judges we also need to take into consideration that the winning team from Japan, once they arrive in Cannes, will need to create this film within 48 hours with limited production resources!!!
We also need to keep in mind that the briefing is all conducted in English!!
Sadly, English comprehension and expression is not easy for most Japanese.
Google translate definitely has its limits.

Gold Winner
“The Situation” – This particular film went Beyond Borders, Beyond Cultures, Beyond Languages.
A very strong and yet simple visual metaphor of what many women face in their careers.
Additionally, the film was well executed with regards to film craft.
I especially liked how you could hear the sound of the woman’s steps long before she actually entered into frame.
As she forged forward one step after another, there came a time when she grew tired.
Could not keep up!! Simple motif with one strong key visual.
Personally, I feel the UN Women’s logo at the end was enough.
There was not a need for the English title to explain what we just saw.
One piece of advice when competing on an international level with limited fluency and command of English is to try as much as possible to express your idea visually without relying on dialogue and explanatory taglines in English.

Silver Winner
“The FRAME” film to me had by far the highest level of Film Craft of the competition.
I really loved everything about it.
The simplicity of the production design, the choice of the male cast, the lighting and choice of framing of the cinematography, the pace, rhythm and build of the edit, and the overall sound design.
– Their choice of percussion drums and cymbals with an elevated sense of the sounds of the squishing food building and building, increasing in tension, left me as the viewer drawn into this visual story. Very cleverly crafted.
For a Japanese audience, the idea to use the wooden Musubi mold was brilliant but would a foreign audience fully understand the significance of the “Musubi” mold?

Bronze Winner
“Sorry Mom!” – As a working mother myself this pulled at my heartstrings.
Viewers will remember a film if they can relate to it on an emotional level.
Considering that the team had a limited amount of time and budget, I feel they did a very good job.

Bronze Winner
“A Woman’s Voice” – Art direction and Design – This film was visually sleek. Meaning that their choices of visuals were excellent.
The framing and colors were strong and impactful in conjunction with the women’s voices.
This film definitely left an impression with me.
Ever since that day, I have been noticing more and more how women’s voices are being used around me in my daily life.
Even when making our FURO at night, a sweet woman’s voice lets me know that the Furo is now ready.
If you are thinking about a film hours, days and months afterwards, then you have succeeded in raising awareness. Good job!

審査員 コネクション Timo

今年でヤングカンヌのフィルム部門を審査するのも3度目となりました。
まず正直に全体的にレベルが上がっている事に関して感心し、嬉しく思いました。
また広告自体が多くそうであるように、最後のコピーやタグラインで纏める・落とし込んで行く手法が多く見られ、今後の為にちょっとアドバイス出来ればと思います。
英語はネイティブであっても、コピーやタグラインで纏めるのは非常にレベルの高い事だと思います。もちろん海外の他の国の候補者も英語がネイティブでない方は多くいます。
だからこそ、基本的には企画自体がとてもシンプルに纏められている事が多く、最後のコピーが入っていても、複雑ではなく、かなりミニマルなワードで締めてる事が多いです。
また説明文書っぽい入れ方は避けた方がいいですね。
なるべく動画でシンプルにメッセージが伝わる構成を基盤に、必要であれば、コピーで締める。
厳しい場合は一度企画を練り直す判断も、遠回りに思えて近道かもしれません。
何よりも無理は良くなく、最後のコピーで逆に全体の質が落ちてしまう事もあるので、今後に役立ててください。

Gold:
企画がとてもシンプルで伝わりやすかったです。
動画だけでもメッセージが読み取れて、間の使い方も上手でした。
最後のコピーで逆に質を下げてしまっているのが残念です。
無くても成り立ったかと思いますが、もうちょっと粘って欲しかったとも思います。
例えば一言構成とか?
またプロダクションとしてもシンプルなので現地の48時間内で企画、作成に関しても成り立つ可能性があったのも○。

Silver:
企画アイディアの強引に型にはめるのも素晴らしかったんですが、クラフトのレベルも高かったですね。現地で再現可能か心配でしたが、想像以上にシンプルに制作していたのは+ですね。
シンプルに最後のコピーがもうちょっと収まっていれば良かったのですが、この類の企画のコピー纏めは正直簡単ではないと思います。
発想力も良かったので、今後が楽しみです。

Bronze1:
元々のブリーフを全く違うアングルでアタックし、とても新鮮なアイディアでした。
子供を中心にって所がまたいいですね。
全体的なシンプルさも良く、48時間内に再現可能な所も○。
もうちょっと最後の落とし所が欲しかったですね。

Bronze2:
総合的にとても気持ちよく纏まっている作品だと思いました。
言われてみればとそうかも、と思わせるインサイトも良かったですね。
シンプルも、良く、綺麗でにアートディレクションされてました。
最後の説明っぽい所が全体を落としてしまいましたね。

審査員 電通 高崎 卓馬

いろんな言語や文化のひとたちと同じルールで競う場であることをあらためて考えておく必要があると思います。
自分たちにしかわからないことなのか、知らないゆえに面白く見えることなのか、みんながわかる普遍的なモチーフにするべきか、そのあたりを徹底的に考える必要を全体に感じました。
そのうえで自分たちの得意なスキルを爆発させるにはどうするか。不得意な部分を消しさるにはどうするか。を徹底して考えると道が見える気がします。
あとはテーマのせいもありますが、全体にレベルは高いのですが、おとなしい印象をうけました。
それはもしかするとアイデアが小さいということかもしれません。もっと肉食なアイデアがみたかったですね。
強いロジックとアイデアを畳み掛けていく構造がたぶんカンヌで戦うためには必要なので。

GOLD
コンパクトなアイデアだけど、言葉や文化を超えて理解を獲得するために必要なものは「ロジック」だという根本的なことをしっかり考えてそれを研究した結果だとわかりました。
ただ、その研究を真面目にやると逆に「驚くほどの面白さ」は遠のいてしまいがち。

誰も思いつかないものを手にいれるためにはもっと考えて、もっと考えて、ロジックが見えないくらいの表現に昇華していくしかない。
もっと破綻を。破綻させようとした人工的なものは通用しないから、ただひたすら考えること、ですね。
それには普段から考える癖をもっておくしかないです。このチームにはそれができそうな気がする。そこにとても期待します。

SILVER
フレームというアイデアと、それを緻密に構成する演出力は間違いなく一番でした。
クラフトがとてもよかったのですが、ヤングカンヌという場で競うべきは着眼点と可能性あるアイデアなのでそこを考慮した結果でした。
今までの受賞作からも感じるのですが、完成度を競うのではなく、これをある程度予算かけてつくったらかなり面白くなるぞ、というアイデアのほうが強い気がします。
ビデオコンテのようなものかもしれません。ビデオコンテそのもののクオリティよりも、ポテンシャルを見ているのだと思います。
演出的な意味ではとても強い絵作りで、他のチームにはない強さを感じました。

BRONZE SORRY MOM
視点はとてもよかった。ただこういうテーマを説教的に扱うのはやや安易な印象を感じます。
コンペになったときにどうしてもその範囲で考えていると似たものがでてくる。そこが損です。
似ているものがあったというだけで、アイデアはとても陳腐に見えてしまうので。
この作品そのものはそのなかで群を抜いてよかっただけに残念です。

BRONZE WOMEN’S VOICE
視点はとても素晴らしかった。ただすこし行儀が良すぎたかもしれません。
SORRYMOMと同じでアイデアの種類が「似たもの」を感じさせてしまって損をしてしまったかもしれません。
たくさんの声を切り取って並べるのではなく、これを表現する。という制約を自分たちに与えると一気にオリジナリティが手に入るかもしれません。

SHORT LIST 3作品
ショートリストの3作品はとても惜しい!という感じのものです。
企画と着地に距離がある、もしくは近すぎる感じがします。
そのせいで強引な着地に見えてせっかく面白かったのにそんなことを言うためだったのか残念、とか。企画をそのままなぞっててあらためていわなくてもいいのに残念、とか。
映像として面白くするスキルはあるけれど、その定着で点数をがくん、と下げてしまった印象でした。

PR部門

たくさんの御応募ありがとうございました。
以下、PR部門の最終結果となります。

GOLD

エントリー番号:PR182
電通 桑原 宏明
電通 奈雲 政人

SILVER

エントリー番号:PR096
電通 松實 良知
電通 各務 将成

BRONZE

エントリー番号:PR013
博報堂 夏 秋馬寧
博報堂 竹内 海

SHORTLIST

エントリー番号:PR005
オズマピーアール 古川 一輝
ピーアールコンビナート 鈴木 透

エントリー番号:PR038
電通 徳光 一蕗
電通 山元 彩

エントリー番号:PR074
電通 田原 あすか
電通 菅 なな子

エントリー番号:PR092
大広 蓮田 真優美
電通 蓮田 潤

エントリー番号:PR165
電通 森田 隼司
電通 山口 さくら

エントリー番号:PR189
オズマピーアール 海老原 佑助
オズマピーアール 山元 航平

応募状況

提出作品数:185作品

審査員 電通PR 井口 理

若手のみなさんの関心が高い、あるいはどのような領域を担当していても挑戦しやすいということなのかも知れませんが、いずれにせよ多くの方とPRに関して接点を作れるのはありがたいことです。
最近は社会課題解決など、PRの得意領域に近いお題が各部門共通で出されるようになってきましたが、これは社会環境を如実に反映していると言えます。
まさにみなさんの中に眠るPR目線を解放していただく良い機会かと思います。
一方で審査員が一様に口にしたのが課題の複雑さでした。
“Unconscious Stereotype(無意識な固定観念)”の解消を目指すという根本的な課題は理解するものの、さらに「広告などでそれらの情報を当たり前に発信してしまっている企業のCxOをターゲットにする」、「Unstereotype Allianceといった団体等の存在も示す」などの条件が重なり、企画の幅が狭まってしまったかも知れません。
そしてジェンダーイコーリティや女性のエンパワーメントといった従来から言われている社会課題の一般的な意識啓発に留まってもダメですし、その先のゴールをどこに設定するのかなど、プランナーの意思が必要とされ、高いゴールを定めれば必然的に自身を追い込むような課題だったと思います。
すなわち、どこまでいけば成果と言えるのか、そのKPIをどこに置くかで、プランナー自身の問題意識の理解度、深さまでがあからさまになってしまうような難しさがあったのではないでしょうか。
さらに、そもそもこの「固定観念」が実はプランナー自身の中にも「無意識」に存在してしまっていることを冒頭から感じてしまうエントリーも多かったように思います。
しかし、「ステレオタイプの日本における現状」といった正しい環境整理と理解、「広告活用企業のCxO」というターゲットのインサイトの掘り下げ、自身の「ステレオタイプ」に対する正しい認識の有無など、PR的には極めて王道で、また挑戦し甲斐のあるお題だったとも言えます。
ファイナリストに進んだ各ペアは、それぞれの視点で課題を理解し、重点ステークホルダーを設定し、人を動かす「テコ」のポイントを発見、解説してくれました。
今回の審査においては、その企画の完成度のみならず、企画のバックグラウンドの強固さ、意識外からの質問に対する対応力や柔軟性も二次審査で評価させていただきました。
ここのところPR部門ではヤングライオンズやヤングスパイクスにおいても好成績を収めていただいており、「勝てるチーム」を送り出せていることをうれしく思います。
今年の代表者もプレッシャーを良い意味で受け入れ、善戦していただけることを確信しています。なので、頑張ってきてね~。

 

 

審査員 博報堂ケトル 太田郁子

参加された皆様、お疲れ様でした。課題が難題で、皆様のご苦労がエントリーシートからにじみ出ていました。
最終的には、日本の男女格差が是正されればいい、という話なのですが、そのためにCxOを狙え、そして彼らに「広告には、男女格差の源泉となる“偏見”を生み出す可能性もあり、一方で新しい未来をつくる力もある」ことを知ってもらうことで、各企業の広告を変容させ、男女格差を是正する方向に導け、という条件がついていました。

私自身も「課題解決のためならもっと他に近道があるだろう、なぜわざわざ遠回りルートを通らせる必要があるんだろう」と思いましたが、もしかしたらこのブリーフは、先人たちがいろいろ苦労して、どれもうまくいかなかった末に開拓した新ルートなのかもしれません。
その観点から言うと、もう少しブリーフに沿って粘ってほしかったな、という気持ちもありますが、最終的には“世界で戦えるペアを選ぶ”という視点で選考をさせていただきました。

今年は事前勉強会のかいもあってか、ターゲットインサイトに深い洞察のあるチームが多数でした。
最後の決め手は、アイディアの飛距離だったと思います。
正しいことだけやっていても世界が変わらない時にどうしたらいいのか。
この視点は、これからあらゆる課題解決に必要になってくると思います。若者の皆様のますますの成長と、入賞チームの本戦での活躍を期待しています。

 

 

審査員 井之上パブリックリレーションズ 尾上 玲円奈

ヤングライオンズPR部門に参加された皆さん、お疲れ様でした。
最多応募を記録する中、一次審査、二次審査と勝ち残るのは大変だったと思います。

課題の複雑さや難しさに対し、パブリックリレーションズという取り扱える守備範囲としての間口も、提示できる解決策としての出口も広い分野で、どういったクリエイティブアイデアと紐付け、大きな画として描き切ったか。
今年の一次審査は、上記の組み合わせを深い思考に基づき、分かり易くまとめたチームが勝ち残っていると感じました。
今年の二次審査では、書類だけの一次審査での評価を魅力的なプレゼンテーションで更に上げてきたチームが多かったように思います。
ヤングライオンズ出場経験者や審査員らで開催した勉強会などから、過去のケースや優勝経験者の知見も取り入れたことが窺える、よく練られた説明と質疑応答に感心しました。
一次審査ではまあまあ割れていた審査員4人の意見も、二次審査の議論を経て同じ方向にまとまりました。
今年も最終的に、カンヌ、スパイクスで勝てるチームが選ばれたと確信しています。
昨年も日本代表が世界一の結果を叩き出してくれたPR部門で、事前のアドバイスなど微力ながら日本常勝の機運を盛り立てていければと考えています。
選ばれた皆さん、カンヌ、シンガポールの地で共に祝杯を上げましょう。

 

 

審査員 本田事務所 本田 哲也

エントリーされた皆さん、そして最終選考に残った皆さん。まずはお疲れさまでした!
毎年PR部門の審査をさせていただいてますが、今回はちょっぴりお題が複雑だったかもしれません。
「ジェンダーのステレオタイプ」という社会イシューがまずあり、その解消策としてUNWomanの「アンステレオタイプ・アライアンス」がある。その推進のためにCXOを動かすにはどうしたら良いか?というのがブリーフでした。
ちょっとした「入れ子構造」になっています。この点において、(アイデア自体の立案の前に)課題の構造把握でエントリーに優劣が出ました。いわゆる「要求定義力」です。

PR部門の事前勉強会で、際立ったPRプランにするコツは「Deep DiveとHigh Jump」と話した覚えがあります。
課題を正確に把握した上で、まずは深いインサイトを発見・提示できるか。
そのから、着眼点やアイデアとしてどれだけ高く飛躍できるか。
最終選考に進んだエントリーでは、そのポイントで見るべきものがありました。
そして最後はやはり、プレゼンの説得力と質疑応答の巧みさです。「なるほど、そこまでやればパーセプションが変わるかもしれない」と思わせる説明の仕方です。
今回はコロナ騒動の最中の選考でしたが、世の中の空気感を決定づけるのも広報やPRの役割です。
世間の動きに対する感度とクリエイティビティを磨いて、来年もぜひチャレンジしてください。

 

 

メディア部門

たくさんの御応募ありがとうございました。
以下、メディア部門の最終結果となります。

GOLD

エントリー番号:M026
ADKクリエイティブ・ワン 關 彰一
ADKクリエイティブ・ワン 市島 智

SILVER

エントリー番号:M045
monopo 見目 拓也
monopo 高橋 健太

BRONZE

エントリー番号:M071
HELLO IDEA 小竹 海広
TBWA\HAKUHODO 清水 万里合

BRONZE

エントリー番号:M005
博報堂 夏 秋馬寧
博報堂 竹内 海

SHORTLIST

エントリー番号:M033
電通 松實 良知
電通 各務 将成

エントリー番号:M055
大広 花田 光希
大広 渡部 俊介

エントリー番号:M059
電通 福井 悠太
電通 山本 輝生

応募状況

提出作品数:81作品

総評・コメント

審査員長 博報堂MP 嶋田三四郎

今年で3年目の審査委員長を努めさせていただいたわけですが、
エントリーされた皆様の作品を審査する中で、感じた事があります。

それは、1次審査を通過した作品と通過しなかった作品に、
圧倒的な「差」があったという事です。

今回の講評では、その「差」の要因を、
僕なりの意見としてまとめてみたいと思っています。


■要因①:「企画」の仕上がり力

まず、審査する側が、根幹として大事にしている部分は、
(昨年の講評でも語らせていただきましたが…)
①企画の着眼点
②メディアを意識した企画展開シナリオ
③チームとしての企画への強い意志
という3つの視点から生まれる「企画の仕上がり力」です。

これが大きな「差」の要因ではあるのですが、 この「差」が生まれるのは何故か…をもう少し因数分解してみると…


■要因②:企画書力
シンプルだけど、重要なのが…「企画書力」。

審査員は、1次審査の段階では、エントリーシートを「見るだけ」で、
皆様の「企画」と向き合います。
そのエントリーシートこそ…全て。

だからこそ、「企画書力」が「差を生む」という事を今一度理解して欲しいです。

いくらいいアイデアだったとしても、「企画書力」が弱いと、伝わらない。
つまり…チャンスを逃す可能性がある=もったいないのです。

「論理力」「デザイン力」「英語力」など様々な要素が融合して
「企画書力」は向上していくので…日々の業務を通じて
 是非鍛え上げてみてください!


■要因③:日々の情報アンテナ力

このような場は、通常業務とは違う…コンテストの場。
通常業務で向き合う課題とは違う「グローバルなソーシャルイシュー」が、
メイン課題になってくる事は、予測の範疇だし、
限られた時間の中で、考えなければいけない事も分かっているはず。

だからこそ、日頃から、グローバルイシューに対しての、意識的に
情報感度をあげ、その情報に対して、自分なりの意見・考えを持っておく
「情報アンテナ力」が必要だと思います。

二次審査でプレゼンテーションを聞きながら、
僕は、「その発想に至るプロセス」を意識的に問いかけましたが、
共通していたのは…
テーマに対しての「太い意見・考え」が「深みのある企画」になっていた…
そして、その起点は「日常からの気づき」だったという事。

つまり「日々の情報アンテナ力」が、「差」を生む大きな要因となっているのです。
自分の興味ある事だけ…という「自分忖度の情報取得」ではなく…
興味ない事でも…自身の成長のためと意識して情報をとりにいくといった
毎日の過ごし方が、大きな差を生んでいくと思います。


ちょっと講評としては「長い!」って感じになってしまいましたが…

皆様には、このような意識と行動で…
チャンスがある限りチャレンジしてもらえると嬉しい限りです。
「情報」と「理論」と「感情」を融合させ…
「有限の時間」の中で、「無限の知恵」をだしまくってください!

 

 

審査員 電通 内田正剛

例年以上に難解な課題が提示され、応募者の皆様の苦労されている様子が応募作品からひしひしと伝わってきました。
一次審査前に全作品に目を通し採点している時には正直「今年は応募作品のレベルが低くないか?審査は難航するのでは?」と思っておりました。
しかし二次審査を終え、皆様のプレゼンをお聞きした今、自分の評価力の低さを猛省しております。
「二次審査に残ったファイナリストの皆様は本当に素晴らしかった!」。
そんな中、今回は審査の基準としてはカンヌとスパイクスの本戦で勝てるチームを選定することに例年以上に留意しました。
そのために一番大切なことは<二人の能力が本番で最大限引き出せるチームであること>。
<語学><クリエイティブ><ロジック>など必要な能力のバランスの良さは勿論大切ですが、一番重要なポイントは<二人の相性>。 才能がバランス良く整った相性の良いチームは、その存在自体が楽しく、わくわくする気持ちをもたらせてくれました。
ゴールドとシルバーの二チームはこの点で一歩抜きんでていたと思います。

メディア部門の審査員はこの2年間男性のみで構成。
今年はグローバルな視点を有した頼もしい女性審査員が加わってくれました。
まるで今回のお題を見越していたかのように。
結果はもしかしたら少しステレオタイプだったかもしれない審査会自体に新しい視点が十分に加味され、
良い議論が行われ、大変充実した審査過程であったことを最後に付け加えさせて頂きます。

審査員 ORIGINAL/タイムアウト東京

新聞、雑誌、テレビやラジオに加え、インターネット上や乗物内、ビルの壁面など、私たちの身の回りには多種多様なメディアがあります。
今回の選考は、応募者がそれらメディアをどうとらえているのか、そもそもメディアとは何なのかを深く考えさせられる機会となりました。

今回のテーマは、私たちが無意識に抱いてしまっている性差への通俗的な観念を、メディアを通じてどのように変えていくのか、というものでした。
提出された81の企画によって、私たちは、生活そのものがすでにメディアであるような社会に生きているのだと、痛感させられました。
そして、ささやかでも構わない、これらの企画が実現されることによって、性別や年齢や国籍などについての、種々のステレオタイプな考えが払拭され、個が持つ力をみんなで肯定しあえるような社会が訪れることを願わないではいられません。


受賞者の、海外での果敢なチャレンジを期待しています。

プリント部門

たくさんの御応募ありがとうございました。
以下、プリント部門の最終結果となります。

GOLD

エントリー番号:P078
ジェイアール東日本企画 谷島 康葉
ジェイアール東日本企画 小林 沙紀

SILVER

エントリー番号:P075
I&S BBDO 永田 彩乃
I&S BBDO 田岡 理沙

BRONZE

エントリー番号:P038
電通 佐々木 楓
電通 鈴木 絹彩

BRONZE

エントリー番号:P097
ADKクリエイティブ・ワン 川瀬 真由
ADKクリエイティブ・ワン 太田 遥香

SHORTLIST

エントリー番号:P004
TBWA\HAKUHODO 水本 隆朗
博報堂 廣田 陽子

エントリー番号:P016
カラス 森下 夏樹
エードット 飯田 捷人

エントリー番号:P046
電通 遠藤 生萌
電通 姉崎 真歩

エントリー番号:P059
電通 友田 菜月
電通 西野 圭亮

エントリー番号:P070
凸版印刷株式会社 阿部 愛美
凸版印刷株式会社 北島 大揮

エントリー番号:P087
電通 上田 美緒
電通 佐藤 一貴

応募状況

提出作品数:115作品

総評・コメント

審査員長 電通 八木 義博

難しい課題にもかかわらず、たくさんの応募で気づきをもらいました。
審査がとても楽しかったというのが個人の感想です。
中でも、「白か黒かで判断すると、理解している気分でいられるが、実はそのことで見えないものを生んでしまっているのかもしれない。
みんなが想像力を持って世界を見ることで、この社会はもっとカラフルになれる。」とコピーワークと色をつかったギミックで伝えてくれるシルバーの作品に、この課題の本質的な部分を感じることができたような気がしてハッとなりました。
ゴールドの作品は投票の常にトップに存在した力のある作品で、爽やかな家族イメージの洗剤パッケージの横に、女の子として生まれ育ち、結婚して、子供を産み、家事をする。というひとつの方向感を置くことで、途端にステレオタイプという牢獄が浮かび上がってくる表現です。
一見、清潔で明るく、ほのぼのとしたビジュアルが、余計にステレオタイプという牢獄の厄介さを表しているし、マスコミュニケーションの代表として洗剤をモチーフにすることで、パッケージや広告を見た人たちがまたステレオタイプを生んでいるということをほのめかしているように感じられ秀逸でした。
豊かな意味をギュッとシンプルなデザインで突破する、ぜひ本戦でもそうあってもらいたいです。
応募者のみなさん、おつかれさまでした!

審査員 Tang 尾形 真理子

ジェンダーを“Stereotype”に捉える社会、企業経営者に対して、問題提起となるクリエイティブを。
裏を返せば、性差を“Stereotype”で捉えるのはナンセンスであるというのが、現代の共通認識。
その認識を知らない人はちょっとまずい。
だけれども、実際の社会には未だ多くの“Stereotype”が存在します。
その無意識の“Stereotype”を顕在化できている作品に、票が集まった気がします。
GOLDに選ばれた作品は、実際の洗剤の広告であってもおかしくないところが見事です。
一昔前なら、女性の憧れ、幸せな人生として表現されていたもの。
そして、母娘が並んだ可愛らしい商品パッケージは、実際にスーパーの棚に並んでいても、当たり前に思ってしまうかもしれない。
問題に気づかないかも知れない。
まさに無意識の“Stereotype”みつけているあざやかさがありました。
「こんなに女性たちは冷遇されている、差別されている」と、声高に訴えるのではなく、日常意識の中で提起する冷静さは、効く。
プリントアドとして見事だと思いました。

審査員 Kananoi 金井 理明

今回の課題はとても難しかったと思います、お疲れ様でした。
その中でも課題を咀嚼し、冷静に企画をして、丁寧に定着したチームがゴールドを勝ち取ったと思います。おめでとうございます。
消費者とメーカーの双方に対し、ステレオタイプな思考をしているかを
冷静に説教らしくなく表現していました。
シルバーの原稿は読みこむとアイデアの良さが理解できましたが、コミュニケーションの速さをもっと出せれば、スカッとしてよかったのかなと思います。
ブロンズのボートの案は、経営者に対してわかりやすいアイデアと思いました。
しかし、こちらもよく見なければ女性の漕ぎ手がいないことに気づかないので、
やはり伝え方のスピードがもう少し上がればなぁ、と思いました。
私たちは 百数十の原稿にすべて目を通し、手持ちの票を入れ、少しずつ絞り込むという流れを繰り返します。
ゴールドの案はいつも票が確実に入っていました。
コミュニケーションにちょっとでも不思議な部分や、一方的な思い込みで作られているものがあると票が欠けてしまいます。
企画の冷静な構築が重要かと思います。
コピーライター、デザイナーの2人での参加ですが、冷静な第3者として、俯瞰からの眼差しを忘れないでください。

審査員 ADKクリエイティブ・ワン 三井 明子

とても難しいお題でした。
「ステレオタイプ」に対するわたし自身の意識が「ステレオタイプ」だと気づかせてくれた作品がたくさんありました。
審査にあたりながら、自身の意識も多少変化できたような気がしています。ありがとうございました。
審査員長の八木さんを中心に、議論をくり返して選考を進めてまいりましたが、かなり惜しい(ほんとうは残したい!)と感じる作品が数多くありました。
ただ、全体的に「ステレオタイプ」をショッキングに描くということにとどまっている作品も多くみられました。(そういったなかにも、いまも印象に残っている作品も多くあるのですが…)

上位に選ばれたものは、現実に起きている問題を知らせることにとどまらず、意識を変える(解決につなげる)ポジティブなメッセージとなっている作品が揃いました。
わかりやすく鮮やかな表現ということも共通していたように感じます。 ひとつひとつのエントリー作品から、取り組んでくださったみなさまの熱量を痛いほど感じて、個人的に選考の途中でプレッシャーを感じましたが、審査員のみなさま全員一致の文句なしの1作品(1チーム)を選出できたことがとても嬉しかったです。
ぜひ、自信を持って、カンヌでのびのびと戦っていただけたらと存じます。

ファイナリスト以上に選出されたみなさま、多数の作品から選出されたことは、ほんとうに名誉です。おめでとうございました!
エントリーくださったみなさま、お疲れさまでした。
選ばれるのは本当に大変ですが、、、だからこそ、来年もぜひチャレンジしてください!

デザイン部門

たくさんの御応募ありがとうございました。
以下、デザイン部門の最終結果となります。

GOLD

エントリー番号:D060
博報堂 赤沼 夏希
博報堂 矢島 源太郎

SILVER

エントリー番号:D031
博報堂プロダクツ 山中 幸代
博報堂プロダクツ 藤本 萌代

BRONZE

エントリー番号:D046
博報堂 槇野 結
TBWA\HAKUHODO 大嶋 美月

SHORTLIST

エントリー番号:D008
カラス 森下 夏樹
エードット 飯田 捷人

エントリー番号:D014
TBWA\HAKUHODO 飯田 瑛美
グレイワールドワイド 浦川 瑞貴

エントリー番号:D016
電通テック 中島 智哉
電通 永島 一樹

エントリー番号:D023
東急エージェンシー 興津 隼人
東急エージェンシー 奥村 翔

エントリー番号:D026
電通 遠藤 生萌
電通 姉崎 真歩

エントリー番号:D029
電通 八木 薫郎
電通 大澤 希美恵

エントリー番号:D058
電通 森宗 高大
電通 藪本 晶子

エントリー番号:D068
博報堂 平岡 咲
博報堂 永塚 剛士

応募状況

提出作品数:75作品

総評・コメント

審査員長 電通 八木 義博

いろんな視点、アイデアが集まりました。
難しい課題でしたが、全体的にそれぞれに挑戦しようとしている姿勢が伝わってきました。
しかしながら、もう一歩踏み出して欲しかった、本気が見たかった。という気持ちが残ります。
「THREE EYES」は異なる視点をあわせ持つこと、つまりもっと想像力を持つことが大事だという考え方にハッとして、何かヒントを感じ、そこからどんなデザインを導き出せば良かったのかと考えさせられました。
「Flag to Think about THE TRUTH」のようにジェンダーに対する問い自体をアイデンティティにし、場所との掛け算で、考える時間をデザイン、ダイレクトにCxOに働きかけようとしているところが良かったと思います。
「UnFilled Bottle」はステレオタイプを「脱ぎ捨てる」という概念的なことが行為として見えてくる様子は部分的には面白いと思いました。
審査員で議論し、それぞれに良いところを見つけられたものがショートリストに残っていると思います。
コンセプトが優れていてもデザインとしてクオリティが低いという審査員からの厳しい意見もありました。
また、その逆にデザインは気持ちいいが内容に必然性が足りないというものも。
ゴールドに輝いた「DAWN OF NEW ERA」はキレイなグラデーションが印象的な作品で、ジェンダーの課題にはグラデーションを用いることはよくあることかもしれませんが、男性と女性が生き生きと存在することで見えてくる美しい景色が見てみたい、このジェンダーの課題を乗り越えることは人類にとって新しい夜明けなのだ。という大きな呼びかけにしたことが評価されたと思います。
しかし、ややもすると抽象的すぎて、大人しく見えてしまう案とも言えると思います。
本戦では強いオリジナリティを心がけて、めいっぱいバットを振ってもらえたらと思います。
応募者のみなさん、おつかれさまでした!

審査員 6D 木住野 彰悟

「女性へのUnstereotypeを広める」とても難しい課題です。
さらにその難しい課題をVIで解決するわけですからさらに難しい。。。多くの素敵なデザインがありました。
ですがお題が難しいということもあり、絵を作っているだけで、デザインすることで視線が変わるようなデザインは少なく感じました。
「men、women、ではなく進化してみなhuman。」という作品が多くあったのですが、デザインでそれを、特にVIで表現しようとすると「男であること」「女であること」の存在自体を否定しているようにも見えてしまう。。。
デザインは「皆の頭の中にある抽象的なイメージの具現化」なので、ステレオタイプの方が表現しやすくアンステレオタイプは表現しにくいんだなーと僕自身グラフィックデザインの弱い部分がわかり勉強になりました。
性別を赤と青で表すことはまさにステレオタイプな表現なのですが、 LGBT対応トイレでいまだに良いピクトグラムが無いことでもわかる様に、インフォメーションデザインなどはとくにステレオタイプでないと伝わりにくいです。
金賞の作品は青(男)オレンジ(女)と設定して両方の差をなくす表現としてグラデーションをもちいているが、アイディアの主体はそこではなく、そのグラデーションを陽が昇る朝日に見立て、ステレオタイプな世界から新たなフラットな世界が始まる夜明けのように感じさせ、爽やかな印象を与える素晴らしいVI計画になっているところです。
金賞に相応しいと評価出来ました。

審査員 博報堂 杉山 ユキ

たくさんの作品を見る中で一番感じたのは、「ひと目で伝わる強いアイデアが大切」だということです。
ショートリスト以上の作品は、自分たちなりの切り口をみつけ、新しいことにチャレンジしようとしていました。

全体的には、課題文を読み解いていくうちに、頭がかたくなってしまったのかな?という印象をうけました。
「Create visual identity」という課題だったためか、単なるシンボルマークのデザインにとどまってしまっているものが多く、アイデアや見た目が似た作品もいくつもありました。

・課題の芯をしっかりとシンプルに捉えること
・その、芯を、柔軟に解釈して、アイデア、アウトプットをどれだけ飛躍させることができるか
・デザイン、ビジュアルがとぎすまされているか

が鍵だと思います。

今回のようなコンペに限らず、普段の仕事から、これらのことをこころがけるようにすると、よりよい仕事・作品ができるし、次回のコンペのための訓練にもなるのではないでしょうか。

審査員 HASHI 橋田 和明

Woman Empowerment、Un-stereotypeを題材にしたVI開発。
課題はとても難しかったのではないかと思います。日本はこの分野がとても苦手ですから。そんなテーマに取り組んだみなさま、まずは本当にお疲れ様でした。ただ、このことを考えるきっかけになったのはとても良いと思います。そして、みなさんのアイディアがこれからの日本に希望を持たせてくれたな、とすごく感じました。

応募された作品の話をしますと、アプローチは様々でした。僕が着目したのは、ネガティブアプローチとポジティブアプローチ。


北風と太陽ですね。


北風のように、間違いを指摘し、気づかせるアプローチ。それは今の日本にも合っていると思いました。まず、気づかせることが大事。


もう一方は、太陽のように、圧倒的な肯定。この方向に向かう自分たちを誇ろう、というアプローチ。
実はこれも、今の日本に合っていると感じました。ぺこぱみたいな、否定しないやり方。


どちらも、効く可能性がある。


でも、僕は今回の文脈は太陽が合うのではないかと感じました。


ゴールドの作品、”DAWN OF A NEW ERA”。


この作品は、圧倒的な太陽アプローチを感じました。あ、夜明けだから太陽を感じたわけではありません!
夜明けのように気持ちいいものを、自分たちはやっているんだ。朝が来るんだ。日が昇るんだ。Woman Empowermentは当たり前のようにくるし、とても気持ちのいいものだのだ、というメッセージをくれたんだと思います。
それは、LGBTQのレインボーカラーと同じようなものをつくろうという野望にも感じました。レインボーも、ダイバーシティ&インクルージョンを語る上で最高のモチーフ。生理的に気持ちが良くて、そして、そのモチーフを自分が関係がないと思っている、もしくは気づいていない人も、自分が背負うことが素直にできる感覚。


それをこの作品に感じました。大きくなりそうな予感しかしませんでした。
いっそこれが、Woman Empowermentの象徴になってみたらいいのに、と。

素晴らしかったです。

アイディアを考えてみるときに。
北風と太陽。
実は北風の方が発想しやすいと思います。
でも、太陽から考えてみる、もいいのだろうな、と思いました。

もっと語りたいことはあるのですが、聞きたいことがある人は、Facebookのメッセで質問をくれれば応えます。

応募されたみなさま、本当にお疲れ様でした!

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