通算3度目のLIONS Liveが2021年3月に開催。この最新版の誰にでも分かるレポート② “アフターコロナの8つのテーマ”を中心に。 LIONS Liveに学ぶ、2021年におけるチャレンジの仕方。

“アフターコロナの8つのテーマ”を中心に。 LIONS Liveに学ぶ、2021年におけるチャレンジの仕方。

 2020年6月と10月に続いて3度目の開催となったLIONS Liveは、2021年3月1日(月)~3月5日(金)の5日間、配信されました。前回に引き続き、2回目のレポートを、お届けします。

“2021年アフターコロナの8つのテーマ”について、まず1.~3.を詳しく見て行きましょう

 今回は、前回少しだけ取り上げたThe Big Creative Themes for 2021(2021年に向けたクリエイティブの重要テーマ)を、もう少し掘り下げて行こうと思います。これは、アフターコロナを強く意識して、カンヌライオンズ事務局が1,500人以上の広告ビジネスやマーケティングビジネスのリーダー達にアンケートを実施し、その結果を元に8つのテーマを掲げたものです。
 8つのテーマとは、
1.コロナ禍はどんな形ですべてを変えてしまったのか、
2.危機と向き合う、
3.購買は買う場所だけではなく一連のジャーニーだ(日本語訳をレポート①と少し変えました)、
4.以前よりさらに良い形で再建しよう、
5.ブランドは今後も世界を救えるのか、
6.私につきまとってる?、
7.一時的なものか未来になり得るものか、
8.バニラ・コンテンツ問題(この場合の“バニラ”は“平凡な”の意味と思われる)です。

 まず、「1.コロナ禍はどんな形ですべてを変えてしまったのか」というテーマでは、“何故、カルチャーや社会やクリエイティビティが、従来と同じではあり得ないのか?”と問いかけます。そして、現状では、多くの疑問が存在しているが十分な回答が得られていないとし、コロナ禍以前の習慣や感情は、いずれ戻って来るのか?と問題提議し、多くの人々が新しい世界の消費者を、よりよく理解したいと欲している、と述べています。

 次に、「2.危機と向き合う」では、“クリエイティビティが答えなのは分かっている。では、質問は何なのか?”と投げかけます。歴史を振り返れば、危機はクリエイティビティを必要として来たと述べますが、もちろん、クリエイティビティが経済を増殖させるものだと認識されるためには、エビデンス(リサーチや事例や証明)が必要だとしています。

 そして、「3.購買は買う場所だけではなく一連のジャーニーだ」というテーマでは、“売り場のルールを書き換えよう“と訴えます。Eコマースは今やごく普通のものになり、時にはつまらない領域になっている。そんな圧倒的に競争的な領域で、ブランドはどのように際立ったプレーヤーになれるのだろうか?との問いを投げかけます。

“2021年アフターコロナの8つのテーマ”、4.~6.も大変に興味深いテーマです。

 さらに、「4.以前よりさらに良い形で再建しよう」では、“クリエイティブ・ビジネスは、単にサバイブするのではなく繁栄して行くだろう。だが、どのようにして?”と語っています。様々なネガティブな要素にも関わらず、楽天的なヒントも散見される、としています。

 今度は、「5.ブランドは今後も世界を救えるのか」というテーマです。ここ数年のキーワードであるパーパスを取り上げて、“アフターコロナにおけるパーパスの優先順位”について議論を展開します。ブランドバーパス(ブランドの存在意義)は、ブランドにとって健康保全上の(hygiene)因子になっている。消費者が、ブランドを彼らの毎日の生活の何かを表すものとして期待しているということだけではなく、彼らはブランド価値に賛同できなければすぐに他のものを買うといった行動を取るのだ、としています。

 その後、「6.私につきまとってる?」では、行き過ぎたターゲティング広告などを念頭に、“パーソナルなコミュニケーションを追求する時には、不気味にならないように、クールに行こう!”とメッセージしています。いわゆるクッキー利用への制限が行われた後、パーソナルなコミュニケーションは上手く行くのか?ブランドは、どのようにして正しくパーソナルなコミュニケーションが出来るのか?

残りのテーマである、7.と8.を見て行きましょう。そして、我々は、2021年の課題に、どう立ち向かえば良いのでしょうか?

 次の「7.一時的なものか未来になり得るものか?」では、“善きもの、ダメなもの、醜悪なもの。新しいプラットフォームとテクノロジーにおけるクリエイティブの可能性を見て行こう”と告げています。どんなテクノロジーやプラットフォームが2021年に反映し、我々は注意を払わなければならないのか、それを見極めようということです。

 最後の「8.バニラ・コンテンツ問題」というテーマ。この場合の“バニラ”は“平凡な”の意味と思われますが、“当たり障りのないストーリーが蔓延する中で、注意を惹きつけよう”と訴えました。“当たり障りのないストーリーの蔓延”部分の英語は、a blizzard of bland stories。brandに近い発音のbland(当たり障りのない)というワードを用いて、ブランド・ストーリーが、いかに平凡なものになりがちかについて注意を促しています。

 様々な業界が、コロナ禍で大変な状況に陥り、2021年、なんとか復活しようと試みています。皆さんが属しているであろう“クリエイティブ・ビジネス”の世界でも、答えはないまま、それでも進む道を模索しています。今回取り上げた8つのテーマは、きっとそのヒントになってくれると感じました。

 2021年6月には、2020年~2021年の多くの事例から受賞作が選ばれる予定です。カンヌライオンズの受賞作には、それぞれにたくさんのヒントが含まれています。LIONS Live がもたらしてくれたものを噛み締めつつ、6月の受賞作の発表を心待ちにしたいと思います。

 ※LIONS Live2021年3月版についてのレポートは、今回で終わりです。引き続き、カンヌライオンズ関連の記事は書いて行く予定ですので、どうぞ、お楽しみに!

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