3Questions-Social & Influencer Lions

鈴木 瑛(すずき あきら) Byte Dance ディレクター 
2007年電通入社。クリエイティブディレクターとして多数のマーケティング戦略を手掛け、Cannes Lions、D&AD等、国内外での受賞多数。2016年米国の国際政治雑誌Foreign Policy Magazineが表彰する「世界の頭脳100人」にヒラリー・クリントンやマーク・ザッカーバーグらと並んで選出。2019年TikTok For Business Japanに入社、「Global Business Marketing – Japan」を立ち上げる。

Q1.2020/21カンヌライオンズで最も印象に残った作品3つを挙げてください。

Stevenage Challeng(Burger King)

Swipe Night(Match Group)

$5 MISSING MENU MEAL TIKTOK(Arby’s)

Q2.国内外でクリエーティブの評価方法はどんな点が最も違うと感じましたか。

 海外はアイデアやインサイトなどの「解像度」がかなり違うと感じた。米国のように人種や宗教が複雑な国では、多様性が大きな社会課題として存在する。そのため、解像度を意図して粗くしたインサイトや、合意が得られやすいテーマ、誰が見ても心動かされる内容がカンヌでも受け入れやすくなる。その一方、Social & Influencer部門では、解像度の高い作品が評価されることも経験した。欧米のカルチャーやソーシャルメディア上のトレンド、ブランドの立ち位置など、固有で複雑なコンテクストに沿って制作された作品だ。英語圏の審査員が多いことも背景にある。日本は欧米と価値観が似通っている。しかし、小さなインサイトを掘り下げた解像度の高いアイデアが主流だ。海外で評価されるためには、大きなインサイトに基づき、新しいアイデアで勝負することが必要ではないだろうか。

Q3.クリエーティブの新たなトレンドやヒントが見えてきましたか。

 4つの大きな流れが見えてきたと思う。ゲームの影響力の拡大が目覚ましいこと、インフルエンサーマーケティングが成熟してきたこと、リアルビジネスへの明確な貢献が見えたこと、そしてカルチャーへのリアルタイムレスポンスが重要になったことだ。クリエイティブの観点からは、Authenticity(本当らしいという感覚)の重視が挙げられる。ユーザー動画の「撮って出し」などの要素を超え、メッセージ全体の本当らしさが求められている。ゲームには、ユーザーがコンテンツに深く関与するという視聴の「質的特徴」がある。これをクリエイティブのアイデアにとどまらず、再現性のあるソリューションとして販売促進やブランドリフトにどうつなげていくか、ビジネス面の今後の課題となっていくだろう。