Outdoor Lions 間部奈帆
間部奈帆(まなべ なほ) 博報堂 クリエイティブディレクター/コピーライター
1999年博報堂入社。ソーシャル視点と女性ならではの感覚を生かしながら、キャンペーンをリード。主な仕事にUNIQLO Sustainability、Grand Seikoなど。近年は、経営戦略策定からコミットし、事業をスケールさせるプロジェクトにも従事中。2018年にベトナム拠点で働いたことを機に、Hakuhodo International Unitに複属。Spikes Asia2019審査員。

Q1.2020/21カンヌライオンズで最も印象に残った作品3つを挙げてください。

SHUTTER ADS(HEINEKEN)

Uber Heetch(Heetch)

The last older person to die in loneliness (BBK Foundation)

国内外でクリエーティブの評価方法はどんな点が最も違うと感じましたか。

 今回のカンヌ・アウトドア部門では、「心でクリエイティビティをジャッジしよう」「アウトドアらしさを考えよう」「その作品がブランドと社会をどう前進させているか深く議論しよう」が、審査委員長からの最初のメッセージだった。そして、一つひとつの作品について、制作者へのリスペクトとともに、前向きな議論が行われた。

 ポスター&ビルボードはオーセンティックな作品が多く、それ以外のサブカテゴリーはまさに異種格闘技状態。イベントや建築物あり、インタラクティブあり。またグローバル企業から、今回新設されたローカル/シングルマーケット部門まで。これが、1つのカテゴリー?というほど、幅広いエントリーだったが、審査指針がはっきりしていたのと、議論が非常に建設的だったので、大きく票が割れることはあまりなかった印象だ。

クリエーティブの新たなトレンドやヒントが見えてきましたか。

 ブランドが「何を言うかではなく、何をするか」の重要度が増していると感じた。「Purpose-driven activation」という意味合いの施策だ。コミュニケーションレイヤーでドキュメンタリー&デモンストレーションになっている作品から、事業や商品自体がパーパスの体現になっているものまで、実態/証明/説得力がキーワードだと思った。

 その意味では、ワッパーはまさにドキュメンタリーだし、シャッターアドはコロナ禍でコミュニケーション投資先を変えてクライアントを助けるシステムの実装。APPYは実証実験と捉えている。

 もう1つは、「超ローカル」だ。地理的なローカル性を突き詰めると、そこにグローバルに通じるインサイトがあること。また、人のローカル性は突き詰めると「個人」に行き着くこと。「超ローカル」を深く洞察することで、身近なところにもクリエイティビティの発揮場所があると信じたい。