3Questions-Health & Wellness Lions

加茂麻由子 (かも まゆこ) 電通 クリエーティブ ディレクター 
ATL/BTL、Webコンテンツ開発などの広告コミュニケーションから、パッケージ、商品開発、ブランド戦略構築、社内コミュニケーションまで、幅広く手掛ける。2017~19年dentsu one Kuala Lumpur(マレーシア)に出向。Cannes Lions、ACC賞、MARKIES(Malaysia)ほか受賞多数。14年LIONS HEALTHヘルス&ウエルネス部門ほか、14年・19年SPIKES ASIA ヘルスケア部門でも審査員。  

Q1.2020/21カンヌライオンズで最も印象に残った作品3つを挙げてください。

BECO. #STEALOURSTAFF.(BECO) 

THE BREAD EXAM (SPINNEYS AND THE LEBANESE BREAST CANCER FOUNDATION) 

MOTHER BLANKET (VIVIR ASSOCIATION + AMBATO’S CANTONAL HUMAN RIGHTS PROTECTION COUNCIL) 

Q2.国内外でクリエーティブの評価方法はどんな点が最も違うと感じましたか。

 国内で広告賞の審査員経験がなく、比較はできない。ただ、今回審査に参加して感じたのは、刺激のある、学びの多い豊かな時間だったということ。それは審査員のメンバーに恵まれたことも大きいように思う。世界中から集った、バックグラウンドの違うプロフェッショナルが、意見をぶつけ合いながら、様々な角度から作品の良さを発見・深掘りし、それを一緒に積み重ねて理解を深めていくプロセスはとても有意義だった。議論は、作品のクリエーティビティやいかに行動変容・マインドチェンジを促すかというところに重点が置かれていたが、アイデアの持つスケーラビリティーも度々議題に上がった。それは、Health&Wellnessという普遍的な価値を共有し、展開していく力があるかどうか。社会や立場、異なる文化さえも超えてソリューションのヒントとなり得るかどうかということである。 

Q3.クリエーティブの新たなトレンドやヒントが見えてきましたか。

 全体としてみると、パーパスはさらに重要視されてきているように感じる。この部門だからかもしれないが、少しでもより良い日常、より良い未来に向かって企業が掲げるそれぞれのパーパスをコアに置いたアイデアが多かったように思う。そして、そのアイデアがまたビジネスを伸ばしたり、ブランドを強くしたりしていくという信念も感じられた。今回キーワードとして見えてきたのは「TABOO」「CULTURE」「SOCIAL ISSUE」。存在する壁を打ち破り、よりリアルに、オープンにすることで、Health&Wellnessの向上を目指そうとする試みが増えてきている。そこでも、異なる文化への尊重が基本にあることは言うまでもない。ダイバーシティやインクルージョンを常に念頭に、マクロとミクロの視点を両方持ちながらアイデアの開発をしていくことが重要と改めて感じた。